深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

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板藍根

昔ある所に、一人の若者がいました。
若者は、あるお屋敷に住み込みで働いていました。
若者はとても働きもので、お屋敷の近くの山に、毎日、薪をとりに出かけていました。
この山には馬藍寺という寺があり、板藍和尚という老僧がすんでいました。
この老僧は、とっても親切で、お昼の時間になるといつも
若者に、白湯をふるまってあげていました。
若者も和尚の親切に感謝し、年老いた和尚のために水汲みを手伝っていました。

若者がお屋敷で働いて、しばらくたって、いつしか、若者はお屋敷の主人の娘と恋に落ちました。
しかし娘は親のいいつけで、役人に嫁がされることになってしまいました。
このことを知った板藍和尚は若者に、「死んでも生き返る」という薬を渡しました。
娘がこの薬を飲むと体が冷たくなり仮死状態になりました。
親は、娘がてっきり死んだと思い棺に入れて埋葬します。
若者は棺から娘を出し、馬藍寺に担いで行って寝かせるていると、やがて娘は息を吹き返しました。

和尚は二人のために、疫病に効くという薬草を渡しました。
二人は村を逃れ、この薬草を売って毎日幸せに暮らしました。
数年後に和尚を訪ねて見たところ、すでに和尚は亡くなっていました。
二人は和尚の恩に報いるために、和尚からもらった薬に和尚の名前をとって「板藍根」と呼ぶ事にしました。



板藍根

和名 タイセイ

産地: 江蘇、福建、広西など

味: 苦、大寒
帰経: 肺、胃

効能:清熱解毒、涼血消班

応用:
熱病が血分に入った場合。
うわごと、発疹、意識障害に
犀角、山梔子などと併せて用いる。





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