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衛気営血辨証

衛気営血辨証は、温病を治療するために考え出されたものです。
急性伝染病には、悪寒がつよくて後に発熱してくる傷寒型と、悪寒はあまりなく熱寒がつよくすぐに発熱する温病型があります。
この2つはあまり区別されていませんでしたが、金・元の頃になると、区別した方が良いという考え方が一般になってきます。
その後、明・清の時代になってやっと「温病」という一つのカテゴリーが出来て温病の治療方針として衛気営血辨証がうまれます。
衛気営血辨証は、清代の葉天士という人が「温熱論」という書物の中に書かれている辨証方法です。
病気の初期を衛分といいます。
この次期は少し寒気があり、まだそれほど熱は出ていません。
体表の邪気を発散してとりさる方法を使いますが、傷寒のように温める処方は使いません。
考え出されたのは辛涼解表という方法です。
薄荷などを主に使い、冷やしながら発散する方法です。
気分証になると、熱がつよくなり、呼吸もあらくなり、汗が沢山でます。
この次期は清熱を主にして、白虎湯などが使われます。
ただ、邪気が何処に入ったかによって病状は違い、気分証の治療は1番複雑となります。
さらに邪気が一歩すむと、営分にはいります。
この次期になると、意識障害が出たり斑疹が出たりします。
ただ、この次期はまだ邪気を気分に引き戻す事が可能な状態です。
さらに深い血分になると病気の最終段階となり、涼血解毒という方法で対応する事になります。
傷寒と温病は確かに共通する部分もありますが、違う部分も多く、傷寒の治療を温病に当てはめるのは妥当では無いと考えます

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