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八綱辨証

漢方を使えば、それが漢方治療だと思っている方が多いのですが、それは正しくありません。
例えばスパゲッティで「かけうどん」を作って、それがイタリア料理を食べたと言えるでしょうか?
漢方薬は材料です。
大切なのは材料よりも調理方法です。
その調理方法が弁証論治なのです。
弁証論治にはいくつもの方法がありますが、その総括が「八綱辨証」です。
八綱は「陰陽 表裏 虚実 熱寒」を意味しています。
ただこの方法はとても大雑把な辨証なので八綱辨証だけで処方を決定する事はできません。
例えて言えば、本の目次のようなものです。
まず表裏。
表は体表、裏は内臓を表します。
表と裏の間の筋肉などは半表半裏に属します。
虚実
身体に必要なものが不足しているも状態を虚、余分なものがたまっているのを実といいます。
決して体力があるとか無いとかは関係がありません。
この部分は日本式漢方とは異なるので注意が必要です。
熱寒
単純には、身体が熱く感じるのを熱、寒く感じるのを寒としますが、熱寒の指標としては、舌の色、脈の速度や状態、口渇があるか、便秘があるか
尿の色なと色々な要素を総合して考えます。
例えば熱には虚熱と実熱があり、さらに真熱と仮熱があります。
虚熱は、陰など身体の潤いが不足して身体がほてっている状態です。
実熱は体内に邪気があり、それで熱が生じている場合です。
化熱とは、本当は寒の状態にあるのに見かけ上は熱に見えるものです。
たとえば、顔が赤く、息もハアハアとあらく、いかにも熱があるように見える状態なのに、尿が白く透明、口渇はなく、脈は沈微、下痢をして、舌の色は薄くまて時に黒苔があり湿っている。
このような場合は、この熱は真熱ではなく仮熱の可能性があります。
仮熱の場合は冷やす薬を使ってはならず、使うと悪化します。
さて、陰陽は、表裏、虚実、熱寒の総括です。
八綱は辨証論治の総括ですから陰陽は総括の総括と言われます。
表、実、熱を陽
裏、虚、寒を陰とします。
陰陽は全体のイメージをつかむのに必要です。

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