深谷薬局 養心堂

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病名漢方

漢方薬を西洋医学の病名で処方する事があります。
これを「病名漢方」と言います。
病名漢方は、漢方の知識が全くなくても、西洋医学を知っていれば漢方を使えるので多用されがちです。
しかし、これは正しい漢方の方法ではありません。
漢方薬は病名以外に、その人の体質や、状態を重視します。
時に周りの環境とか季節までも考慮します。
病名が同じでも、使う漢方薬は一人一人の体質や状態によって違ってきます。
例えば、風邪の場合。
寒気が強い場合は暖める作用のある処方を使います。
逆に熱寒がつよく、喉が渇くなどの場合は冷やす作用のものを使います。
これを使い間違えると、症状は悪化します。
また同じ暖める作用のものでも、気虚といってエネルギー不足の場合は麻黄などが沢山含まれたものを飲むと体力が消耗してしまいます。
このように病名だけでなく体質を考えて漢方を使うと効き目が良くなるだけでなく、副作用を予防する事が出来ます。
これを同病異治といいます。
同じ病気でも体質や状態によって違う治療を行うという事です。
西洋医学でも、最近は遺伝子配列を調べて、あらかじめ薬の効き目や副作用を予測する方法が開発されつつあります。
この考え方は漢方の考え方に近いものです。
これに対して異病同治という考えがあります。
例えば、中医学では血液の汚れの淤血や、汚れた水、脂、繊維が原因の痰湿という病邪があります。
淤血によって引き起こされた病気であれば、西洋医学の病名が何であれ、淤血を綺麗にする漢方を使います。
これを異病同治といいます。
異病同時は西洋医学でもよく用いられている手法です。

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