深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

タイトル一覧

 

瘀血の定位について

「心血瘀阻」以外で、瘀血の定位は行われない傾向があります。
心血瘀阻は狭心症など比較的症状がわかりやすいですが、他の瘀血はわかりにくい傾向があります。
しかし、心血瘀阻以外にも確かに瘀血はあります。
例えば、肺性心とか肺の瘀血。
旧病入絡と言うように慢性的な呼吸困難は瘀血の関与が考えられます。肝硬変が長引くと門脈圧があがり、お腹の静脈が浮き出して来る事がありますが、これは明らかに肝の瘀血です。
食道静脈瘤も瘀血の一種です。
腎臓が悪いと、血圧が上がる場合があり、これは腎の瘀血と言えます。腎は毛細血管が多い臓器で、腎機能が悪い時に冠元顆粒で改善する場合があり、これは腎の瘀血と言えます。
八味地黄丸に牡丹皮が含まれているのはとても意味深いものがあります。
脾の瘀血は症状としてはわかりにくいですが、糖尿病などで動脈硬化を起こす場合は脾の瘀血と言えます。
さて、では何故、瘀血の定位はあまり行われないのでしょうか?
血液は全身を循環しているため、どの部分の瘀血であっても活血化瘀の薬が使われます。
つまり瘀血の部位によって使う薬の変化が少ないのであまり考慮されていないのだと思われます。
医林改錯を見ると、瘀血の部位により使い分けがされています。
これから考えると、やはり瘀血も定位を考える事は必要と思います。


次のページ


 トップページに戻る