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弁証論治 過去から未来へ

中医学の弁証論治は今の状態を幾つかに分類して対策を考える方法です。
まず虚実に分けます。
虚は必要なものが足りない場合で、気虚、血虚、陽虚、陰虚があります。津液不足などもあります。
次に定位を考えます。
例えば、心気虚なのか脾気虚なのかとか、肝血不足なのか心血不足なのか。
陽虚も脾陽虚、腎陽虚、心陽虚などにわけたりします。
邪実は、外邪と内邪に分けます。
外邪は風 寒 暑 湿 燥 火にわけ、内邪は気 血 痰 湿 食 火に分けます。
私はこれ以外に宿邪というものを考えています。
宿邪は外邪が体内にいすわった状態で、アレルギーなどによく見られます。
例えばウイルスや細菌は外邪ですが、それに対する抗体が出来ます。この抗体が正常に働けば良いですが、体内の正常な細胞に影響する事もあります。
有名なのは腎炎や尋常性乾癬ですが、他にも色々な免疫異常が考えられます。
邪気の性質を見分けたら、定位を考えます。
外邪と宿邪は表裏や三焦ですが、五臓六腑も考えます。
内邪は五臓六腑が主です。
さて、ここまでは現在の状態を考えたものです。
でも一歩進んで、もう少し過去を考えてみましょう。
過去として、もともとの体質と、病気を引き起こした原因を考えます。
もともとの体質は、気血水の不足、気の流れの異常があります。
気の流れの異常は気滞以外にも気が上に昇らない下陥もあります。
また発散と収斂の異常もあります。
もともとの体質は、主には遺伝です。
ただ、生活環境や食生活など、遺伝子のスイッチに関わる部分もあります。
悪い遺伝子を持っている場合はそのスイッチを入れないようにする事が大切です。

病気を引き起こす原因としては、ストレス、暴飲暴食、過労、感染症などで、病因と言います。
その中でもっとも難しいのは老化です。

もともとの体質 + 病因 = 病気

病気の現在の状態 弁証

この二つから、未来の予測が出来ます。
「上工はは未病を防ぐ」
これは必ずしも予防だけではありません。
今、病気になっている人の悪化を防ぐという事です。
囲碁や将棋で、何手も先を読むのと同じ意味です。



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