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伏邪新書について

邪気は外邪と内邪に分けますが、あまり知られていませんが、それ以外に伏邪があります。
伏邪は清の時代の劉吉人という人が書いた「伏邪新書」という本に詳しく書かれています。
初めてこの本を見た時に大変なショックを受けました。
一般的に伏邪は、「冬に寒邪を受けると春に温病となる」と言ったような、伏気としての概念しかありませんでした。
この伏邪新書では伏気以外に病機が直った後に再発する場合とか、後遺症にあたるような場合なども伏邪としています。
伏邪には伏燥、伏寒、伏風、伏暑、伏湿があると書かれています。
この頃はまだ現代医学の考えは無かったので、いわゆる抗体とかアレルギー、自己免疫などという事は知らなかったはず。
ここに書かれている内容は、免疫と関係するような症状が書かれています。
個人的には伏邪は、免疫のバランスが悪くなっている状態と考えています。
このように考えると伏邪の考えは色々な病気に応用できます。
「燥邪が極まると却って潤いが生まれ、口の中に泡が出来る。これはちょうど温病の邪気が営分や血分に入ると口渇が減るのに似ている」
「胃腸が丈夫で伏風にあたると、食べるとすぐに下痢をする。これは脾虚ではない」
面白いのは伏湿の治療の中に「鶏肉とフカヒレのスープ」と言うものがある。これで病機が治るならとてもうれしい。温病でよく使われる雪羹(クロクワイとクラゲのスープー)よりも美味しそう。


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