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弁証論治だけでは足りない

中医学の切り札は「弁証論治」なのですが、弁証論治にも欠点があります。
弁証論治は今の状態をタイプ別に分類して、タイプごとに治療方法を変えるという作戦です。
病気が起こっているメカニズムを病機と言います。
そしてその原因を考えます。さらにこれからどうなるかという予測も必要です。
弁証論治以外にも、病因、病機、予測が必要です。
これはちょうど、囲碁や将棋と似ています。
過去の状態、今の状態を正しく把握して、未来を予測して次の一手を考える事が必要です。
例えば、目の調子が悪く、肝腎陰虚と弁証して杞菊顆粒を使うのは一定の効果があります。
ただ、肝腎陰虚を起こす原因を考える必要があります。
そうすると、例えば肝鬱気滞が原因とします。
その状態になると、おそらく陰虚以外にも瘀血が出てきます。
これは「久病入絡」という意味です。
そこで、杞菊顆粒に疏肝理気の作用のものを少し加え、活血化瘀のものも加えます。
このようにする事で、弁証論治だけよりもはるかに治療効果の良いものになります。
つまり時間軸が必要です。



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