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気について

気とは、目に見えないエネルギーを指します。
これには、正気とか、邪気などいろいろな気があります。
また、自然界にあるもの、体内にあるものなど、さまざまです。
「六気」
六気とは、自然界にある、風 寒 暑 湿 燥 火 の事です。
六気は、季節に応じて、自然に存在します。
この場合は、病気の原因にはなりません。
しかし、季節に応じない気が発生したり、あるいは、季節に応じた気でも
強すぎたり、弱すぎると、病気の原因になります。
例えば、冬は、寒いのが当たり前です。
しかし、極端に寒すぎたり、あるいは、寒くなかったりすると、
病気の原因になるのです
「正気」
正気には、2つあります。
一つは「真気」とも言われ、人体機能の正しい現れで、病気に抵抗する力を意味しています。
正気が体の中に、充満していると、病気の原因である邪気は、体を犯す事が出来ません。
これには、先天の気 後天の気 臓腑の気 宗気 衛気 営気などがあります。
それぞれが、病気に抵抗して、体を守ってくれるだけでなく、生きていく爲に必要な生命活動をしています。

もう一つは、自然界の正気です。
これは、季節に応じた、正しい気です。
例えば、春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しく、冬は寒い。
これは季節の自然の気です。

「先天の気」
先天の気は、腎と関係が深いので、腎気とも呼ばれています。
腎には、腎精といって、両親から受け継いだ、大切な命のもとが保存されています。
腎精は、いわば命のろうそくのようなものです。
腎気の強い人は、生命力が強く、長生きの素質があります。
腎気の弱い人は、腎気を消耗しないように心がけるとともに、腎精を補う食物や、漢方薬を服用する必要があります。
腎気を補うものは、紫河車、海馬、巴戟天、杜仲などがあります。
方剤としては、「海馬補腎丸」が有名です。

「後天の気」
後天の気は、胃腸から作られる気です。
これは、飮食物から作られます。
後天の気は、先天の気を補充しています。
また、後天の気は、血液や筋肉などを作る原料や、各臓腑にの気のもとにもなっています。
後天の気を補うには、補脾薬を使います。
人參、白朮、党参、黄耆などがあります。
代表方剤は、「香砂六君子湯」「四君子湯」「人参湯」などです。

「宗気」
宗気は、大気中の気を、肺から取り入れて、それを後天の気である脾気とブレンドしてできあがったものです。
主に、肺の呼吸する力と、心臓を動かす原動力になっています。
宗気が不足すると、動悸、息切れなどがおこります。
宗気を補強するには、人參、黄耆などの生薬がよく使われます。
代表方剤は、「昇陥湯」です。

「衛気」
衛気は、体を守る気です。
現代医学でいう免疫機能などを指します。
衛気は、腎臓で作られ、脾気と混ざり、さらに宗気の力の助けを借りていますから、先天の気、後天の気、宗気とも関係が深いのです。
衛気を強くする生薬は、黄耆、防風、桂枝などがあります。
代表方剤は、「玉屏風散」です。



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