深谷薬局 養心堂

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邪気とは

邪気は、病気の原因になる、わるい気です。
これには、外からやってくるものと、体の内部に発生するものがあります。
外部からやってくる邪気は、風 寒 暑 湿 燥 火 の六気です。
体の内部に発生する邪気には、血液のよごれである淤血、水の汚れである湿と、固形物の汚れの痰、そして気の流れが悪い、気滞、食べ物が胃腸に詰まる食滞があります。
「気滞」
滞とは、簡単に言えば、気の流れが悪いという事です。
気の流れが悪くなると、その部分が詰まって、張る感じや、痛みなどを起こします。
気滞がひどくなると、化火といって、赤みを伴って炎症を起こしたりします。
また、気滞が長引くと、水や血液、栄養物の流れも悪くなり、いろいろな障害を
引き起こします。
気滞を治療するには、理気薬を使います。
柴胡、枳実、香附子、木香、紫蘇 などにその作用があります。
処方としては、「加味逍遥散」「開気九」が有名です。

「瘀血」
瘀血は、血液の流れが悪くなり、滞った汚れた血です。
血液の流れが悪い事を血淤と言います。
淤血は、出血の原因になったり、血管に詰まったり、また血流を悪くして、肩こりや頭痛の原因にもなります。
最近の研究では、慢性病の多くが淤血と関係していると言われています。
瘀血の治療には、昔から、活血化淤という方法が用いられています。
川きゅう、赤芍、牡丹皮、丹参、紅花 などにその作用があります。
それらを組み合わせた「冠元顆粒」は、とても有名な処方です。
「桂枝茯苓丸」は婦人科の淤血によく用いられます。

「湿」
湿は、体の中の不必要な、余分な水です。
むくみの原因になります。
また、鼻からあふれ出すと鼻水、気管支から出ると痰、目から出ると涙となります。
湿をとるには、茯苓、猪苓、白朮などの利水剤をよく使います。
代表方剤は、「五苓散」です

「痰」
痰は、普通に気管支から出る痰だけではありません。
体の中のよごれで、比較的、粘るものを言います。
例えば、余分な脂も痰になります。
痰は、体のあちらこちらに溜まって、しこりを作る事があります。
また、淤血と一緒になって、脳などに詰まって、脳梗塞を起こす事もあります。
痰の治療には、半夏 貝母 夏枯草 天南星 胆南星 竹茹 竹瀝などを用います。
代表方剤は、「温胆湯」「二陳湯」などです。

「食滞」
食滞は、胃腸につまった、不消化の飲食物です。
食滞になると、おなかが張る、口がまずい、便がすっきりしない、げっぷ、吐き気、舌の苔が厚くなるなどの症状がおこります。
食滞をとるには、山ざ子、神麹、麦芽、鶏内金などを使います。


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