深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

タイトル一覧

 

聞診

聞診は、音を聞くだけでなく、臭いをかぐ事も含まれます。
実症と言われて、毒素が多い状態の時は、独特の体臭、口臭、便の臭いなどが
あります。
とくに湿熱という毒素が多い時には臭いが強くなります。
患者さんの、声の力も大切です。
しゃべり声に力がある時は、肺気は充実しています。
力がない時は、肺気が衰弱しています。

肝に問題があると、しゃべり方がカリカリとして、速く、甲高い声になります。
心に問題があると、ため息をよくもらします。
肺に問題があると、呼吸がゼーゼー言います。

大便や尿や生理の臭いも診断の参考になりますが、これは直接かぐ事は出来ないので、患者さんからの話を参考にします。


切診

切診とは、身体に触って診断する方法です。
具体的には、脈を診る切診と、お腹を見る腹診、それから経絡や経穴の状態を
見る方法などがあります。
切診の中では脈診が一番大切です。
脈は、浮脈といって、体表に浮いた脈。
これは、邪が体表にある事を意味しています。
沈脈といって、脈が中に沈んだ状態。
これは、邪が体内にもぐっている状態です。

形状としては、突っ張ったような弦脈。
ストレスの多い時に見られます。
緊脈
弦脈よりももっと突っ張っています。
寒邪に犯された時などに見られます。
澀脈
血液の流れが円滑でない状態です。
淤血などの時によく見られます。
滑脈
コロコロと円滑な脈です。
妊娠時とか、生理前などに見られます。
また、痰湿が多い時にも見られます。

脈の部位としては、
寸 関 尺 に分けて考えます。
寸脈は、体表、上半身を意味しています。
また、左の寸は心を右の寸は肺を意味します。
関の部分は、お腹のあたりを意味していて、左の関は肝を右の関は脾を意味しています。
尺は、身体の下半身を意味していて、左右とも腎を意味します。

お腹をさわってみる腹診は、主に日本で発達しました。
みぞおちが硬い心下痞硬は、瀉心湯を使う目標になります。
脇の下が硬い胸脇苦満は柴胡剤を使う目標になります。
臍の下が柔らかい、感覚が弱いなどは、臍下不仁といって、八味丸の目標です。

問診

問診とは、患者さんにいろいろと質問をして、病気や体質の状態を判断する事です。
基本的には、現代医学の問診とあまり変わりはありません。
一番違う点は、漢方の診断は、病気を起こしている場所だけでなく、
全身的な事も考慮します。
ですから、病気とは一見まるで関係ないような質問をされる事もあります。
例えば、熱と寒を決めるのに大切なのが、尿の色です。
あるいは、生理の色なども重要です。

また、住んでいる環境や、仕事、普段の食べ物なども判断材料になります。
漢方相談に行かれて、「変わった質問だな。病気に関係があるのかな。」と思われる事もあるかも知れません。

弁証論治

漢方薬は、現代医学とは違って、この病気なら、この薬といったような使い方はしません。
病気だけでなく、その人その人の体質とか、状態、時に季節、職業などを細かく見て薬を決めていきます。
こういった漢方的な診断を証といいます。
弁証論治とは、証に従って治療を施すという事です。
これによって、異なる病気でも同じ治療をしたり、同じ病気でも薬が全く違ったりします。
例えば、「肩こり」も「風邪」も葛根湯を使う事があります。
小柴胡湯は、風邪にも、胃腸の病気にも肝炎にも腰痛にも使います。

あくまでも、漢方の基本は、弁証論治です。
これに、病気の種類などを加味して考えていく方法が一般的です。

季節を五行にあわると一つ足りない問題

中国哲学には五行という考え方がある。
五行というのは、この世のすべてものもを木火土金水の五つの要素のどれかに当てはめると言うものだ。
木はすくすくと伸びる性質があり、風で揺れる性質がある。
季節で言えば春だ。
火は熱く燃える性質、これは夏にふさわしい。
水は寒く冷たい冬。
金は、収斂作用。収穫の秋にふさわしい。
これで春夏秋冬が揃った。
まてよ、木火金水、あれ、土はどこに行ったの?
仕方ないなぁ。じゃあ、なんか作るか。
そして作ったのが土用。
土は母なる大地。
季節の変わり目に土用を配置する事で季節どおしがけんかしない。
母なる大地には、木火金水という四人の子供がいるのだ。


星の動きは予測できるけど分子の動きは?

星の動きは決まっていて、何年後にどこで日食があるとか、月食があるとか正確に計算出来る。

地球はいろいろな分子で出来ている。
もし一つ一つの分子の動きが正確に把握できれば分子の集合体である地球の未来は計算できるはずだ。
もちろん、とてつもなく高性能のコンピュータが必要だが...
では、未来は既に確定しているのだろうか?
だとすれば、私達は何をもがいているのだろうか?

しかし、実際には分子の動きは正確には把握できないのだ。
分子がそこにあるかどうか調べるには、何かを分子に当てて、跳ね返ってくるのを調べるしかない。
何かが当たると、分子は位地や運動方向が変わってしまう。
つまり、分子の正確な位地と運動方向を調べる事はできないのだ。
正確な位地と運動方向がわからないと未来を計算する事は出来ない。
人間などの動物は分子の動きに左右される。
人間の考える力や意識などは分子の動きそのものなのだ。
なので人間の未来はわからない。

ただ、星の動きなどのマクロの世界は予測できるのだ。
未来が決まっている星の中で、未来の決まっていない人間が生きている。
なんとも不思議な事だ。


ゲンジボタルを見に行きました。

6月といえば「ホタル」
小さめのホタルはよく見る。
しかし、デカいのはまだ見たことがない。
ゲンジボタル。
きっといるはずだ。
6月上旬。湿度が高い、曇り空、しかも無風。
必ずいるはずだ。
ネット情報を信じて行ってみた。
だが、駐車場が無い。
山道のような細い道に縦列駐車されている。
しかもカーブに大きめの車がとめてあり、とてもじゃま。
まったく人の迷惑も考えないで、と言いながら自分もその少し前に駐車場した。
ちなみに私達が止めたのはカーブではなく、十分に余裕がある場所だ。
さて、これだけ車がとまっているなら、さぞかし沢山のホタルが出迎えてくれるだろう。
期待をおさえつつ、細い道沿いを上がっていく。
すれ違う人がいたので、「ホタルいましたか?」と聴くと「いません」と即答。
一瞬耳を疑う。
そんなはずは無いと上がっていくが、本当にいないようだ。
しばらく徘徊するが諦めて下がっていく。
すれ違う人に「いません」と声をかけながら....


血圧を下げる漢方を下さい

血圧が高いので血圧を下げる漢方が欲しいとご来店される方が沢山あります。
ですが、血圧が高い場合、何故血圧が高いかをしっかり考える必要があります。
原因に関係なく、とりあえず血圧を下げるという便利な漢方はありません。

西洋医学は、原因がなんであれとりあえず血圧を下げる事ができます。
それは便利な反面、臭いものに蓋をするような事になってしまう可能性があります。
患者さんも「とりあえず血圧が下がったから良いか」と安心してしまいます。

漢方は原因から考えるので、効果が出始めるまで時間がかかります。
手っ取り早く血圧を下げる事はできません。
また原因によっては時間がかかる場合もあります。
今すぐ下げる必要がある程に緊急を要する場合は西洋医学と併用する方が良いでしょう。


水の種類

中医学ては水をとても重視します。
ホジュンというドラマでも、初めの方に水を極める話がありました。

『本草綱目』によれば、季節に応じて水も性質を変えるようです。
「水之気味、隨之変遷、此及天地之気候相感」と書かれています。
おおよその内容として
「立春、清明の二節の水は神水と良い、諸風、脾胃虚損などに効果がある丹薬を練る時に使う。
寒露、冬至、小寒、大寒の四節の水で、五臓を滋補し、痰火、積衆、虫毒に効果がある丹薬を練るとよい。
立秋の日の五更(明け方ころ)の井華水は、老いも若きも、これを飲んでおくと、マラリア、泄利など百病を寄せ付けない。
重午(5月5日)のお昼ころの水でマラリア、赤痢、金創、虫毒などに効果がある丹薬を練るとよい。
小満、芒種、白露の三節の水はみな有毒で、製薬や造酒、食物などを作るとみな腐敗しやすくなります。人が飲むと、胃腸の病気になる事がある。」
と書かれています。
丹を練る時のお水も季節を考えているというのはびっくりです。


肝っ玉って何?

胆は、西洋医学では胆嚢で、胆汁を入れる袋です。
手術でとってしまっても、そう大きな問題はありません。
しかし、中医学ではとても大切な役割をしていると考えます。
大胆という言葉が示すように、大胆な人は決断力があります。
つまり胆は決断力と関係しているのです。
肝っ玉という言葉があります。
肝臓にくっついている玉、つまり胆嚢を指すと思われます。
肝っ玉が大きいとう事は大胆と同じです。
これに反して肝っ玉が小さい場合は、絶えず不安になります。
温胆湯は痰湿をとる作用として有名ですが、もともとは肝っ玉を大きくする為に考えられたものです。
痰湿が胆にたまると、小さい音に驚き、絶えずびくびくします。
ちょっとした事で肝を冷やす事になります。
痰湿をとる事で肝っ玉が冷えなくなるという事で温胆湯と名付けられました。



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