目次形式に切り替える341.中医学で膵臓は?
膵臓は消化液を分泌する大切な臓器です。
しかし、中医学の五臓には膵臓はありません。
中医学の五臓には脾臓があります。
食べたものを吸収して運ぶ働きで、とても大切な臓器です。
現代医学の脾臓は血液や免疫との関係が深く、消化とはあまり関係していません。
脾臓と膵臓はほぼ同じ位置にあります。
この事から考えると、中医学の脾臓は、現代医学の膵臓にあたると考えられます。
中医学が間違っているのではありません。
中医学の方が現代医学より古いので、現代医学が間違えて名前をつけてしまったのです。
340.五臓と数
五臓と数との関係で、数には生数と成数があります。
まず生数から説明します。
生数は生まれつき持っている数です。
1 腎
2 心
3 肝
4 肺
5 脾
となっています。
どうしてそうなったかは、はっきりとは書かれていません。
ただ、想像するに胎児の発育と関係していると思われます。
受精卵から胎嚢までは、父母の腎精から作られると考えられます。
ですから、腎が始めに作られます。
その次に心拍が確認されます。
そして母体内で肝も機能していきます。
生まれてはじめて呼吸をします。
そして、母乳を飲むのが一番最後になります。
ですから、この順番になるのではと思います。
さて、脾の働きです。
中国思想では、脾、つまり土は中央に位置して、すべての臓腑にかかわるものです。
数字でも、脾は特殊な意味を持ちます。
生数は生まれつきの数ですから先天です。
これに後天の精である脾、つまり5を加えて出来たものが成数です。
腎では1+5で6となります。
心は2+5で7です。
ここで奇数は陽、偶数は陰ですから、腎の成数は陰です。
生数が陽なら成数は陰になり、生数が陰なら成数は陽となります。
つまりすべての成数は陰と陽があわさっています。
中医学では、生物はすべて陰と陽が合わさって出来ていると考えているのです。
ですので、生数よりは陰と陽があわさり、脾の力のある成数の方が生物的には重要となります。
339.五臓と方角
五臓と方角を説明する前にまず、五行と五臓と色の関係ですが、
木 肝 青
火 心 赤
土 脾 黄
金 肺 白
水 腎 黒
このようになっています。
方角については
北は寒い、つまり水と関係があり、臓腑では腎となります。
南は熱い、つまり火と関係があり、臓腑では心となります。
中国大陸から見ると、東は海です。
ですので、東は青。つまり肝と関係があります。
西は砂漠が広がっていて、白いイメージ。つまり肺と関係しています。
さて、中央は土、つまり黄色い色で、脾と関係があります。
そういう意味で脾は万物の母と考えます。
農作物をはぐくむ大地のような意味です。
このような訳で中医学では脾をとても重視しています。
前回の季節と方角入れると五行は
木 肝 青 春 東
火 心 赤 夏 南
土 脾 黄 土用(長夏) 中央
金 肺 白 秋 西
水 腎 黒 冬 北
という関係になります。
338.五臓と季節
季節とご臟には密接な関係があると言われています。
例えば、
春 は 肝 の季節
夏 は 心
秋 は 肺
冬 は 腎
と言われています。
さて、五臓は5個ありますが、季節は4つしかありません。
そこで脾は、「長夏」もしくは「土用」に割り当てられています。
長夏とは、梅雨の時期です。
ただ、この考えはあまりしっくりしません。
そこで今では土用に当てはめる事が多いようです。
土用は季節の移り変わりの18日間です。
各季節にすべて土用があるので合計で72日間です。
この各季節の中にすべて土用があるという所が脾の特徴です。
脾は他の臓器を栄養しています。
ですので、他の臓器は脾が無いと活動出来ません。
つまり
肝 + 脾 = 正常な肝 となります。
他の臓器も同じです。
ですので、脾を土用に当てはめるのはとても理にかなっていると言えます。
337.陰とは 陽とは
陰と陽の間には、次のような関係があります。
陰陽対立 いんようたいりつ
陰陽消長 いんようしょうちょう
陰陽互根 いんようごこん
陰陽転化 いんようてんか
陰陽対立 いんようたいりつ
陰と陽は、反対の概念で、お互いに対立しています。
この事から、陽が強ければ陰が弱く、陰が強ければ陽が弱くなります。
体が熱くなりやすい人は、体内の陽が強く、陰が弱いということになります。
また、逆に体が冷えやすい人は、陽が弱くて、陰が強いという事です。
陰陽消長 いんようしょうちょう
陰と陽は、いつも同じ状態ではありません。
例えば、気節の変化をみてみますと、春から夏にかけては、陽気がどんどん
強くなっていきます。
それと同時に陰気はどんどん弱くなっていきます。
陰陽消長は陰陽対立とよく似た概念ですが、陰陽対立は、陰陽の性質について述べた物で、陰陽消長は、陰陽の変化について述べたものです。
陰陽互根 いんようごこん
陰陽は、お互いに転化します。
つまり、陽は時として陰に変化し、陰は時として陽に変化します。
物質が燃えると、エネルギーが出来ます。これは、陰から陽が生じたのです。
また、植物は、太陽の光から、いろいろな食べ物を作ってくれます。
これは、陽が陰に転化したものです。
陰陽転化 いんようてんか
陰陽は、お互いに転化します。
つまり、陽は時として陰に変化し、陰は時として陽に変化します。
物質が燃えると、エネルギーが出来ます。これは、陰から陽が生じたのです。
また、植物は、太陽の光から、いろいろな食べ物を作ってくれます。
これは、陽が陰に転化したものです。
336.陰と陽の関係
陰と陽の間には、次のような関係があります。
陰陽対立 いんようたいりつ
陰陽消長 いんようしょうちょう
陰陽互根 いんようごこん
陰陽転化 いんようてんか
陰陽対立 いんようたいりつ
陰と陽は、反対の概念で、お互いに対立しています。
この事から、陽が強ければ陰が弱く、陰が強ければ陽が弱くなります。
体が熱くなりやすい人は、体内の陽が強く、陰が弱いということになります。
また、逆に体が冷えやすい人は、陽が弱くて、陰が強いという事です。
陰陽消長 いんようしょうちょう
陰と陽は、いつも同じ状態ではありません。
例えば、気節の変化をみてみますと、春から夏にかけては、陽気がどんどん
強くなっていきます。
それと同時に陰気はどんどん弱くなっていきます。
陰陽消長は陰陽対立とよく似た概念ですが、陰陽対立は、陰陽の性質について述べた物で、陰陽消長は、陰陽の変化について述べたものです。
陰陽互根 いんようごこん
陰陽は、お互いに転化します。
つまり、陽は時として陰に変化し、陰は時として陽に変化します。
物質が燃えると、エネルギーが出来ます。これは、陰から陽が生じたのです。
また、植物は、太陽の光から、いろいろな食べ物を作ってくれます。
これは、陽が陰に転化したものです。
陰陽転化 いんようてんか
陰陽は、お互いに転化します。
つまり、陽は時として陰に変化し、陰は時として陽に変化します。
物質が燃えると、エネルギーが出来ます。これは、陰から陽が生じたのです。
また、植物は、太陽の光から、いろいろな食べ物を作ってくれます。
これは、陽が陰に転化したものです。
335.陰陽のバランスをとるには
陽が多い人
暑がり、いらいらしやすい、怒りっぽい、不眠、のどかよく乾く
陰が多い人
冷え性、むくみやすい、太りやすい
陽が少ない人
寒がり、食欲がない、尿が近い、疲れやすい、いつも眠たい
陰が少ない人
体がほてる、動気や息切れ、皮膚がカサカサする
以上は、だいたいの目安です。
「食事のバランス」
陽が多い人
多くとるもの 果物 特に 瓜類 ニガウリなど。
控える物 香辛料 脂っこい物
陰が多い人
多くとる物 香辛料 胡椒 とうがらしなど。
控える物 ジュース お茶 生野菜 果物 甘い物
陰が少ない人
多くとる物 くるみ 松のみ キクラゲ なまこ れんこん 山芋
控える物 香辛料 ニラ にんにく コーヒー
陽が少ない人
多くとるもの ニラ にんにく らっきょう
控えるもの ジュース 生野菜 果物
以上はあくまでも、参考です。
こだわりすぎると、かえってバランスをくずします
「生活のバランス」
陽が多い人
いらいらしないように。 つり ヨガ 気功 など心を落ち着かせる。
静かな音楽を聴く。
陰が多い人
運動などで、汗を多くかく
陽が少ない人
少しずつ、体を鍛える。軽い運動からはじめて、少しずつ激しい運動を。
但し、無理しない事。
陰が少ない人
散歩など、軽い運動をする。激しい運動は控える。
夜更かしは良くない。
ストレスも良くない。
以上は、参考です。(^_^)
334.虚と実
日本の漢方では、
虚は、虚証を指します。
虚証とは、痩せていて、体力がない、疲れやすい、顏色が悪い、
血圧が低い、胃腸が弱く下利しやすい、風邪を引きやすいなどの
体質を指します。
実は、実証を意味しています。
実証は、比較的体力があり、疲れにくく、どちらかというと便秘しやすく
血圧などが高くなりやすく、体内に毒素がたまりやすい体質を指します。
中医学での虚実は次のようです。
虚とは、不足を意味します。つまり、生気の不足です。
体にとって必要なものが足りないのです。
エネルギーの不足 気虚
血の不足 血虚
潤い不足 陰虚
温める力の不足 陽虚 があります。
実とは、多すぎる事。邪気が多いという事です。
体にとって、不必要なもの、有害なものがあるという意味です。
邪気は、外からくる「風 寒 暑 湿 燥 火」と中からたまる「気 血 痰 湿 食 火」などがあります。
333.五行説
五行学説は、中国古来の哲学思想です。これが、中医学と結びついています。
五行とは 木 火 土 金 水 です。
これを臓腑にあてはめて
「木」
肝臓 胆嚢 まっすぐにのびる性質 風で揺れる性質 酸っぱい味 怒りっぽい状態 気節は春 方角は東 体では、筋 目 爪 を意味しています。
「火」
心臓 小腸 熱い性質 苦い味 喜ぷ気持ち 気節は夏 方角は南 体の部分としては舌を意味しています
「土」
脾臟 胃(脾とは、漢方的には、消化吸収を司るもので、現代医学の脾臓とは意味が違いますから、注意してください。)
湿 甘い味 思う気持ち 筋肉(中医学的には肌肉といいます。) 季節は長夏(つゆの頃) 中央 を意味しています。
土は、他の四つが東西南北を意味しているのに対して、中央を意味しています。
この事から、脾胃は、体の中心と考えています。
胃腸の消化吸収機能が弱ってしまうと、病気は治りにくいわけです。
「金」
臓腑では、肺と大腸を意味しています。
肺とは、漢方的には、呼吸器としての肺だけでなく、鼻や皮膚も含まれます。
また、免疫機能の一部も肺の働きとされています。
それ以外には、 燥 辛い味 悲しい気持ち 皮毛 季節は秋 西 を意味しています。
「水」
臓腑では、腎と膀胱を意味しています。
腎とは、漢方的には、泌尿器としての腎だけでなく、ホルモンや生殖器も含まれます。
また、免疫機能の一部も腎の働きとされています。
それ以外には、 寒 塩辛い味 恐ろしい気持ち 骨 季節は冬 北 を意味しています。
332.五行説
相生とは、親子の関係です。
木は燃えると火になります。この事から、木は火を生みます。つまり、木は火の母です。
火が燃えると、炭や灰が出来ます。これは土です。
土の中から、金属が採れます。
金属は冷えると、まわりに水が付きます。
水は、木を育てます。
つまり、 木 火 土 金 水 の順に、生まれていきます。
左側が母で、右が子です。
相克とは、敵どうしの関係です。
ただ、完全に敵という訳ではなくて、制約する事によって全体のバランスを保つ意味があります。
木は、土の中の栄養分を吸収して、土を痩せさせます。
この事から、木は土を克するといいます。これを木克土といいます。
火は、金属を溶かします。これは、火克金です。
土は、水に勝ちます。水害などで堤防をきずいたり、土嚢などでみずが来ないように
したり、埋め立てのように、土で陸をつくります。これは、土克水です。
金は、金属の刃物で、木を切ります。金克木です。
水は火を消す事ができます。水克木です。
このように、お互いに制約する事によって、全体のバランスをとっています。
もし、木(肝胆)が強くなりすぎると、土(脾胃)を克して、胃腸が弱くなります。
次のページ

トップページに戻る