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脾と膵臓について

脾臓というと西洋医学では、古くなった血を壊したり、免疫などに係わる臓器であまり重視されていません。
ところが、中医学では食べたものの消化や吸収、そして門脈や肝臓機能の一部を代表するような働きをしています。
前にも言ったように中医学は解剖学を重視していないので、脾臓がどこにあるかとか、肝臓の機能の一部が含まれているとかは気にしなくて良いでしょう。
ただ、気になるのは中医学では膵臓は出てきません。
膵臓の機能は、脾の機能に含まれています。
昔の中国人は膵臓を知らなかったのでしょうか?
膵臓は胃の裏側にある臓器です。
また溶けやすい臓器なので、確認が難しいという点はあったでしょう。
脾臓と膵臓は位置的に近い場所にあるので、この2つをあわせて脾と言ったのではないじょうか?
つまり、中医学の脾は膵臓の事だったのではと思います。
最初に翻訳した人が「Pancreas」を脾臓ではなく膵臓と翻訳したので、中医学の働きと乖離してしまったのではと推理しています。

中国人に250と言ってはいけない

中国語で250は、二百五(アルパイウー) 頭が悪い人を言う。
間抜けの意味。
戦国時代、斎の国の高官で蘇秦と言う人がいた。
とても能力のある人だったが、敵も多く暗殺されてしまった。
斎の国の王様はとても悲しみ、怒ってすぐに犯人を捕まえようとします。
しかし、なかなか捕まりません。
そこで国王は、一計を案じます。
蘇秦の死体を貼り付けにして、その横に張り紙を出します。
「蘇秦は極悪人で死ぬべきだが、なかなか殺すきっかけが無かった。よくぞ殺してくれた。賞金として黄金千両を与えるので蘇秦を殺してくれた人は申し出られたい。」
すると4人の男が、私が殺したと申し出る。
勿論、これは罠である。
だが、4人は私がやったとゆずらない。
国王が「では、どうすれば良い」と尋ねると、4人は分ければ良いと答える。
一人あたり二百五十両になるはずだと。
国王は、大変に怒り、「この二百五十どもを切り捨てろ」と言う。
それからこの4人のような間抜けを二百五十と言うようになった。


アトピーの皮膚の状態

アトピーの場合、皮膚の表面は乾燥しているけども、そのすぐ下には湿熱という種類の汚れがたまっている事が多い。
皮膚が乾燥しているので潤す漢方を使うと、すぐ下の湿熱が増えてしまいよけいに悪化する場合もある。
なので、見た目だけに騙されない事が大切。
勿論、赤みが少なく、単なる乾燥の場合は潤す方法も必要。
アトピーの体質の場合、血流を測ると血流は非常に良い事が多い。
不思議な事に、アトピーが収まってくると、血流も普通になってくる。
なので、皮膚病の場合は血流が良いだけではだめなのだと思う。

心臓と心の関係

中医学では、内蔵を肝・心・脾・肺・腎と考えこれを五臓と言います。
そうすると、脳がありません。
脳は何処に行ったのでしょうか?
脳は心の中にあります。
えっ、脳は心臓の中にあるの?
中医学は、目に見える物体よのも、目に見えない働きを重視します。
脳の働きは、意識であり、こころ です。
この働きは心の一部と考えています。
不安だと心臓がドキドキしてきます。
これは脳と心臓が深く結びついている証拠です。
西洋医学は解剖学です。
中医学は解剖学にもとづいていません。
だから心がどこにあるかはあまり重視していないのです。
そして、肝は解剖学では右ですが、中医学では左にあると考えます。
これを不合理とか間違っていると考えてはいけません。

肺と大腸はつながっている

中医学では、大腸と肺は表裏の関係でつながっています。
初めは、なんで肺と大腸?と思います。
肺は呼吸以外に、皮膚と免疫がかかわっています。
最近、腸管免疫という言葉が出てきました。
腸内環境が免疫と大きな関係がある事がわかって来ました。
中医学が出来た2000年以上前。
昔の人は腸内環境が悪くなると色々な伝染病にかかりやすい事を知っていたのかもしれません。
中医学、恐るべし。

アルコールの害はアルコールではない

アルコールは体に良くないと思っている方は多いですが、実はアルコールの害はアルコールではありません。
問題は、アルコールが肝臓でアセトアルデヒドに変わる事です。
アセトアルデヒドは、一言で言えば、猛毒で、体の細胞や血管を傷つけ、ガンの原因になります。
アセトアルデヒドは二日酔いの原因物質です。
アセトアルデヒドを分解する力は個人差があります。
いわゆる酒豪という人はこの力が強い人です。
お酒を飲む時は、今日のアルコールは明日のアセトアルデヒドと思って、飲む量を考えましょう。

脈が固くなるのは?

脈が固くなるのは動脈硬化ですが、それ以外のケースもあります。
中医学では、脈を診て、それが固く突っ張っている場合を弦脈と言います。
ちょうど弓の弦のような感じだからです。
これは血管が収縮しているからです。
ではどんな時に血管は収縮するのでしょうか?
一般的に体が固くなる時に血管も固くなります。
例えば、緊張した時、痛みがある時、寒い時、イライラした時などです。
コーヒーの飲み過ぎもそうなります。
逆に体が柔らかくなると脈も柔らかくなります。
リラックスした時、温かい時、眠い時などです。
血管が緊張すると血圧に上がりやすくなります。
自分の脈を毎日診てみると、体の状態を把握できます。

中医学は切り離して考えない

西洋医学は、病気があると何処に原因があるか徹底的に調べます。
勿論、それは大切な事です。
そして病気を見つけるとそれを治療します。
それも大切な事です。
ただ、どうしても忘れてしまいがちなのは、体はつながって一つのものであるという事です。
中医学では胃なら胃、卵巣なら卵巣、脳なら脳というように切り離して考える事はしません。
つながっているので、胃が悪くなると肝に影響してそれが心に影響してという風に考えます。
そして部分的な事より体全体のバランスを整える事を重視します。
もっと考えると一人の人間は家族や友人と切り離して考える事は出来ません。
そらに家族は友人は、社会とつながり、最終的には地球自体が生命体とも考えられます。
だから、地球を治す事が国や社会を治す事で、それが一人一人の病気を治す事に繋がると考えます。

安中散と四君子湯

安中散と四君子湯はどちらも胃腸の働きを良くする漢方薬として有名です。
どちらも消化を助けたり胃腸を温める作用があります。
ただ、この2つの処方は基本的な考え方が全く違うのです。
中医学では汚れがたまっている状態を邪実、必要なものが足りない状態を正虚と言います。
安中散は邪実、四君子湯は正虚に使います。
この場合、日本漢方のように体力のある無しは関係がありません。
安中散は胃腸にたまった汚れを取り除くものです。
汚れにも色々あるのですが、安中散が使われるのは冷たい汚れです。
冷たいものを食べ過ぎたり、クーラーなどでお腹を冷やしたりした時に使います。
邪気を追い払う漢方は基本的にはあまり長期間使わないで、調子が悪い時だけ使います。
これに対して四君子湯は、胃腸の働きを補うものです。
胃腸の消化機能が落ちた場合を脾気虚と言います。
四君子湯は脾の気を補う代表的な処方です。
正気を補うものは体質改善としてある程度長期間飲みます。
ただ虚実は相互に関係していて、汚れが原因で機能低下を起こすし、機能低下があると汚れが溜まりやすいと言えます。
これを虚実錯雑と言います。
中医学の有名な言葉「邪の集まる所は必ず虚がある」がこれです。
ですから、安中散と四君子湯を併用する事もあるのです。

梅雨は湿邪の季節です。

梅雨時、中医学では湿邪が多い季節です。
湿邪は、風邪(ふうじゃ)と一緒に体内に入り込み、色々な症状を作り出します。
夏風邪、いわゆる胃腸風邪。
足のむくみやだるさ。
下痢などが多い症状でする
藿香正気散はこんな時によく使うものです。
気の流れを改善して湿邪を追い出す働きがあります。


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