深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

タイトル一覧

 

色々なものさし

色々なものさし
すき きらい
良い わるい
人のためになる
楽しい たのしくない

人間は物事を判断するのに心の中にいくつもの物差しをもっている。
その中で最もよく使うのが「良い」と「悪い」
でも、これほど曖昧なものは無い。
「運動は体に良い」と言っても、すべての人にすべての運動が良いとは限らない。
何がしたいのか、どう生きたいのか、価値観は人それぞれ。
だから、人が良いというものが自分にとって本当に良いとは限らない。
テレビやネットで、「これは良い」と評価が高くても、ちょっと考えてみる必要がある。
「良い」「悪い」より自分が「好き」なのか「嫌い」なのか正直に考えてみるのも良いのでは。

下痢をしているのに下剤を使う

下痢をしている時、普通下痢止めを使う。
しかし下痢をしているのに、わざわざ下剤を使う事もある。
どのような考え方なのでしょうか?
中医学では、「引勢利導」と言います。
「勢」は、病勢、つまり今の症状で、下痢を指します。
「利導」とは良い方向に導くという意味。
つまり下痢をしている時に下痢を利用して病気を治療しようと言う意味です。
下痢をしている時に下痢を利用する?意味わからないかも知れません。
下痢には2種類あります。
必要な栄養物が吸収されず出てしまう下痢と、細菌や毒素などを外に出すために体が頑張っている下痢。
引勢利導が使えるのは、後者の場合。
体が便から邪気を追い出だそうとしているのを下剤で助けます。
必要な栄養物が吸収されずに出ているタイプの下痢には引勢利導という作戦は使えません。 化を遅らせる為には体のメンテナンスが必要です。

補うもの、きれいにするもの

漢方には、足りないものを補う作用の補薬があります。
補う薬ばかり使っていると、元気にはなるのですが気の流れが悪くなってイライラしたりする事があります。
このような場合は気の流れを良くするものを少し併用していきます。
温める薬ばかり使っていると、体は温まるのですが、熱がこもって来る事があります。
このような場合は少し熱を発散させるようなものを併用します。
汚れを綺麗にする漢方薬も沢山あります。
汚れが綺麗になると、体が軽くなります。
それでも疲れがとれない場合は、何か足りないものがあると考えて補薬を併用します。
このように、中医学は体の中の色々な状態を考えて、足りないものは補い、流れが悪いものは通りを良くし、余分なものは掃除します。
体は嫌でも老化していきます。老化を遅らせる為には体のメンテナンスが必要です。

好きな言葉

私の好きな言葉があります。

「学之者不如好之者
 好之者不如楽之者」

ただ漫然と勉強しても、好きで勉強している人にはかなわない
これは全くそのとおりですね。
では2行目の「好」きと「楽」の違いは何でしょう。
好きは、自分が好きという事。
楽はみんなで楽しむという事。
つまら
「自分のために勉強している人は社会のために勉強している人にかなわない」
という意味だと解釈しています。
自分の為だけにやるより、社会の為にと考えるとモチベーションアップします。

産後院

台湾には日本にない施設として「産後院」というものがあります。
日本人は産後院と言われても何かよくわからないと思います。
出産を終えた妊婦が、退院後にすぐには家に帰らず、この産後院で1ヶ月程度体を休め体調を整えてから帰宅します。
3食の食事付きで、掃除、洗濯などの家事の心配もなく産後のケアに集中できます。
台湾には一般的には実家に帰るという風習が無いのでこのような施設が出来たのだと思います。
すべての人が里帰り出産が出来る訳ではないので日本にもこのような施設があると良いですね。
特に共稼ぎのご夫婦とか、こういった制度があると本当に良いと思います。

舌の先が赤い

舌を出して、舌の先だけが赤い場合は、心熱がある可能性があります。
赤いだけでなくてビリビリする事もあります。
舌の先は中医学で「心」の場所。ここが赤い場合は心に熱がこもっているためです。
ストレスで不眠になったり、仕事が忙しく無理をしている時に多くみられます。
辛いものを食べ過ぎないようにして、潤いのあるものを多目にとり、睡眠をを充分にとるようにしましょう。
好きな音楽を聴いたりしてストレスを発散させましょう。

日本と中国では虚実の意味が違う

日本式の漢方は体力がある人を実証、体力がない人を虚証と言います。
中医学では、体力は関係なくて、「体内に汚れが溜まっているのを邪実」「必要なものが足りない場合を正虚」と言います。
そして汚れがある場合は、それを取り除く漢方薬を使い、足りないものがあればそれを補う漢方薬を使います。
勿論、この二つは同時に行う事もあります。
「どの部分にどんな汚れが溜まっているか」「どの部分の何が不足しているのか」この事を正しく判断する事が中医学の極意です。

更上一層楼


私がとっても好きな言葉です。
もともとの意味は、「登鸛雀楼」という漢詩から来ています。

「登鸛雀楼」は中国・唐の詩人「王之渙」という人の作品です。

白日依山尽
黄河入海流
慾窮千里目
更上一層楼

白日は山に依って尽き
黄河は海に入って流れ
千里の目を窮めんと欲し
更に楼の一層を上る

作者は鸛雀楼という建物に登って景色を見ている。
太陽が山に沈んでいく、そして足下から黄河が海に向かって流れていく。
きっと黄河の水は海の中ですぐに海水とは交わらず、一筋の道となってさらに海の向こうに流れていくはずだ。
それを見てみたい。もっと遠くを見てみたい。千里の向こうまで見渡したい。
そうだ、それにはもう一階上に登ってみる事にしよう。

遠くまで見渡すなら、もっと上に登る必要がある。
これは表面的な意味だけではなく、「物事を広く識るためには、努力して自分が向上する必要がある。努力して自分が向上すれば、自然と広い視野で周りを見渡せる」という意味です。

この詩には直接は詠われていないですが、恐らく黄河は夕日に染められてキラキラと輝いているはずです。

これと良く似た言葉で「芝麻開花、節節高」という言葉があります。
ゴマの花が開く時、どんどんと節が上に伸びて花が咲くという意味です。
そしてそれは自分たちが成長していく様子を表現しています。
「活到老、学到老」。
生きている限り、常に勉強。
老中医の精神で頑張りたいと思っています。

満天星

バラの花束などに添えられている小さくて白い花。
よく見るとなかなか可愛らしい。
名前はカスミソウ。
何だかさえない名前。
ところが、中国語にするとこれが一転する。
「満天星」
夜空に浮かぶ満天の星。
急にかすみ草が素晴らしい花に思えてくるから不思議だ。

昔、北京に行った時、朝食のお皿に見慣れない野菜が並べてあった。
皮は緑、中は真っ赤な野菜。
地元の人に聞いてみると大根の一種だと言う。
名前を「心裏美」と言う。
中国語で裏は中側の意味。つまり心の中が綺麗という意味になる。
確かに切ってみないと中側がこんなに美しいとは誰も思わない。
やはり大根も人間も見かけだけでは簡単に判断できないようだ。
ちなみにこの大根、最近は日本でもたまに見かける。日本語では「青皮紅芯大根」と言う。
日本のネーミングはストレートすぎてユーモアが無い。

季節の変わり目は不眠になりやすい

季節の変わり目は不眠になりやすい。
中医学的には春と秋は陰と陽との交代の時期。
体の中の陰陽のバランスが崩れやすい時期です。
陰と陽を調和させるような漢方薬をよく使います。

眠れない時は、頭の中でグルグルと同じ事を考えている事が多い。
言葉は脳にとっては高度な情報処理が必要なので、脳の中に言葉があると
脳は大事な事をしていると判断して、なかなか眠りのスイッチを入れません。
そんな時は、単語をデタラメに思い浮かべます。
木 魚 パソコン 山 など、映像を浮かべながら、連想ではなく自然にうかんでくる言葉を待ちます。
意味が無いという事がとても大切です。
こうすると、脳は意味のない無駄な事をしていると判断して、眠りのスイッチをONにします。
音楽も良いですが、歌詞の無いものが良いでしょう。
スマホのアプリで眠りに着く音楽というのがあります。
ただし、寝る前のスマホ、PCは脳が興奮するので良くないです。
またお風呂も寝る直前ではない方が良いでしょう。

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