深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

タイトル一覧

 

274.良い汗と悪い汗

  
良い汗  匂いは少ない  わりとサラサラ  少しずつ全身にかく
     味は少ない 乾きやすい

悪い汗  匂いが強い  ベトベト 上半身などに一気に流れ出す
     味は塩辛い 乾きにくい

良い汗をかくには、日頃から汗をかく練習をすると良い。
それにはエアコンの温度を少し高めに設定して扇風機を活用すると良い。
扇風機は、風で汗を乾かし、その時の気化熱で体温を下げるしくみ。
だから少量でも汗が出ていないと扇風機は効果が出ない。
エアコンを少し高めにして、少量の汗が出るようにして、扇風機で乾かすという作戦だ。
が溢れる。

273.風邪と書いて「ふうじゃ」と読みます。

風邪は中医学ではと書いて「カゼ」ではなく「ふうじゃ」と読んでください。
「カゼ」も風邪の一部ですが、風邪の方がもっと広い範囲で、例えばアレルギーなども風邪が原因と考えます。
このため、カゼで使う漢方とアレルギーで使う漢方はよく似ていて両方に使う事ができます。
昔の人は目に見えなくて働きがあるものを「気」と名付けました。
気には体に必要な正気と、体に害を及ぼす邪気があります。
邪気にも沢山の種類があるのですが、その一つに風邪があります。
風の性質は、よく動くので、あちこち移動する痛みや痒み、さむけ、しびれ、震えなどを風邪が原因と考えました。
風邪には、体の外から入り込む外風と体の中で生まれる内風があります。
内風は、めまい、しびれ、耳鳴り、震え、麻痺などの原因と考えます。 がうまく行かないと、呼吸が浅くなり、息苦しくなります。 が溢れる。

272.咳は肺か悪い?

咳は、肺や気管支の問題と普通は考えます。
しかし、中医学では肺だけでなく、胃腸とか腎とか肝とかも考えます。
胃腸が悪くて咳が出る
 逆流性食道炎などは典型的な例ですが、中医学では胃の汚れが肺にたまり咳になると考えます。
肝が悪くて咳が出る
 肝は自律神経と関係しています。ストレスで自律神経のバランスが悪くなり咳が出ます。
 のどがつまる感じ、いがらっぽい感じがします。
腎が悪くて咳が出る
 肺で取り込んだ気は腎に溜め込まれます。
 これを腎の納気作用と言います。
 腎の納気がうまく行かないと、呼吸が浅くなり、息苦しくなります。 が溢れる。

271.中国で縁起が良い言葉

日本のオヤジ以上に、ダジャレが好きなのが中国人。
例えば「金魚」の発音は、「チンユー」で「お金が余る」という意味になる。
だから中国人は金魚が大好き。
中国に旅行すると建物のあちこちにコウモリの図案が見られる。
コウモリは漢字で書くと蝙蝠で発音は「ペンフー」。あたり一面の幸福の意味になる。
中国料理の店などに「福」の字が逆さまに張ってある。
逆さまは「倒」で、「到」と発音は同じ。福到で、幸福がやって来るの意味になる。
だから、中国の旧正月は金魚やらコウモリやら、福の逆さま張りで町中が溢れる。

270.科学では解けない謎

現代の科学技術をもっても、どうしても解けない謎がある。
それは「今」とは何か?
「ここ」とは何か?
「ここ」と言うのは、今、自分の意識ある場所の近くを言う。
「今」は、自分の意識が空間を感じている瞬間を言う。
つまり、「今」も「ここ」も意識によって生じるもの。
眠っている時など意識がない時には「今」も「ここ」も存在しない。
目が醒めて、昨日の事を思い出して、新しい意識に昨日までの意識をつなげて、また今日一日の「今」と「ここ」が始まる。
昔、ある哲学者が、自分の周りのすべての存在を疑い否定した。
目に見えてもそれは錯覚で本当は存在しないのではないか?
音に聞こえてもそれは幻聴で本当は存在しないのではないか?
でも、どうしても否定できないものが一つだけあった。
それはそうやって疑っている自分の意識の存在だ。
こうして色々な物の存在を疑う事が出来るのは意識があるから。
そして有名な言葉を残した「我思う故に我あり」と。
デカルトが生まれて400年以上たつ。
科学は進歩したが、この哲学は時代の流れに取り残されてしまったように思う。

269.良い心と悪い心は戦います

小学校の頃、文化祭でクラスで劇をやる事になった。
誤って花瓶を落として割ってしまった男の子の話。
誰も見ていない。
「正直に言うべきだ」「いやいや、黙っていれば解らない」
”良い心”と”悪い心”が舞台に登場して言い争いする。
最後は良い心が勝って「だけどあの子は負けなかった!」という垂れ幕が出るエンディング。
練習はスムースに進み、もういつでも大丈夫状態となる。
だが...実は一つ、残された大きな問題があった。
割れた花瓶が無いのだ。
劇のためにわざわざ割るのも教育上よろしくない、と先生は思ったはず。
その時、クラスのガキ大将が喧嘩して、花瓶を割った。
見事に真っ二つ。
この時ばかりは担任の先生はとても喜んだと思う。心の中で。
勿論、おとがめなし。
劇も大成功で、めでたし、めでたし。

268.蝶の幼虫は食べるものが決まっている

自然界には不思議な事が沢山ある。
蝶の食草もその一つ。
蝶の種類によって、幼虫時代に食べる草木は決まっている。
これを蝶の食草という。
例えばアゲハチョウは、ミカンの仲間の葉っぱ。
どんなにお腹が空いて、餓死しても決してキャベツは食べない。
モンシロチョウは、キャベツや大根など、アブラナ科の植物しか食べない。
そんな訳で、食草が森林開発などで伐採されてしまうと、その蝶は滅んでしまう。
栄養的には他の植物でも全く問題無いはず。これは蝶の意地としか思えない。
ただ、そのおかげで蝶同士が食べ物をめぐって争わない。
同じ地域で何種類の蝶が棲み分けているのは食草が違うからなのだ。
不思議な事だ。

267.色々なものさし

色々なものさし
すき きらい
良い わるい
人のためになる
楽しい たのしくない

人間は物事を判断するのに心の中にいくつもの物差しをもっている。
その中で最もよく使うのが「良い」と「悪い」
でも、これほど曖昧なものは無い。
「運動は体に良い」と言っても、すべての人にすべての運動が良いとは限らない。
何がしたいのか、どう生きたいのか、価値観は人それぞれ。
だから、人が良いというものが自分にとって本当に良いとは限らない。
テレビやネットで、「これは良い」と評価が高くても、ちょっと考えてみる必要がある。
「良い」「悪い」より自分が「好き」なのか「嫌い」なのか正直に考えてみるのも良いのでは。

266.下痢をしているのに下剤を使う

下痢をしている時、普通下痢止めを使う。
しかし下痢をしているのに、わざわざ下剤を使う事もある。
どのような考え方なのでしょうか?
中医学では、「引勢利導」と言います。
「勢」は、病勢、つまり今の症状で、下痢を指します。
「利導」とは良い方向に導くという意味。
つまり下痢をしている時に下痢を利用して病気を治療しようと言う意味です。
下痢をしている時に下痢を利用する?意味わからないかも知れません。
下痢には2種類あります。
必要な栄養物が吸収されず出てしまう下痢と、細菌や毒素などを外に出すために体が頑張っている下痢。
引勢利導が使えるのは、後者の場合。
体が便から邪気を追い出だそうとしているのを下剤で助けます。
必要な栄養物が吸収されずに出ているタイプの下痢には引勢利導という作戦は使えません。 化を遅らせる為には体のメンテナンスが必要です。

265.補うもの、きれいにするもの

漢方には、足りないものを補う作用の補薬があります。
補う薬ばかり使っていると、元気にはなるのですが気の流れが悪くなってイライラしたりする事があります。
このような場合は気の流れを良くするものを少し併用していきます。
温める薬ばかり使っていると、体は温まるのですが、熱がこもって来る事があります。
このような場合は少し熱を発散させるようなものを併用します。
汚れを綺麗にする漢方薬も沢山あります。
汚れが綺麗になると、体が軽くなります。
それでも疲れがとれない場合は、何か足りないものがあると考えて補薬を併用します。
このように、中医学は体の中の色々な状態を考えて、足りないものは補い、流れが悪いものは通りを良くし、余分なものは掃除します。
体は嫌でも老化していきます。老化を遅らせる為には体のメンテナンスが必要です。

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