深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

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交感神経と副交感神経

自律神経失調症という言葉を良く聞きます。
これは交感神経と副交感神経のバランスが悪くなっている状態です。
中医学的には気の流れが滞っている気滞に属します。
緊張している時、ストレスのある時は交感神経が働きます。
交感神経が強く働き、それから開放されると副交感神経が強く働きます。
この時に血管が広がり偏頭痛がおこったりします。
この時、葛根湯は有効です。
またカフェインもとって良いです。
ただし、交感神経が興奮している時には逆効果になります。
大切なのは、交感神経と副交感神経のバランスを保つ事で、どちらかに偏りすぎない事です。
今どちらの状態にあるか判断するのは
交感神経が優位のとき  イライラしやすい 手足が冷える 口の中が乾燥 眠れない
副交感神経が優位の時 偏頭痛 手足が温かい お腹がすく 眠い リラックス
今の状態によってどのようにするか判断します。
お風呂については、
 少しぬるめのお湯に長時間はいるとリラックスして副交感神経が働きます。
 熱めのお湯に短時間入ると交感神経が働きます。
 解らない時はシャワーだけにします。
交感神経を興奮させるもの
 葛根湯 コーヒー 青色の光 ロックなどの音楽
副交感神経を興奮させるもの
 アルコール 黄色、赤の光 ゆっくりとしたジャズ
となります。
生活の中で上手に取り入れてみてください。

血虚の食事

中医学では血の不足を血虚と言います。
貧血に近い概念ですが、貧血とは違います。
貧血と言うのは、採血して、血液の濃度、特に赤血球の濃度を測定して決めます。
貧血も血虚の一種ですが、血虚は血液の量が少ないものも含めます。
体内の血液の量は正確に測定する事ば出来ません。
脈の強さ、舌の色、生理の色や量、それ以外の色々な症状を考慮して判断します。
最近は血流計があるので、それも参考にします。
血虚の人は血を増やす漢方を使います。
これを補血薬と言いますが、漢方だけでは血は増えません。
家を建てる事を考えると、漢方は大工さん。
大工さんだけでは家は建てられないですね。
原料が必要です。
木材やコンクリートにあたるのが食事です。
血虚の人にお勧めは何と言ってもレバーですが、レバーが苦手なら鶏肉のささみ、胸肉なども良いです。
レーズン、プルーン、くこの実など干した果物が良いです。
ただしドライフルーツは糖質も多いので夜は避けましょう。
豆類、玉子などのたんばく質も大切です。

脾気虚の人の食事

エネルギー不足を気虚と言いますが、特に胃腸の消化機能が悪い人を脾気虚と言います。
脾気虚の体質の方は、脂っこいものを控える必要があります。
生野菜、玄米などもあまりお勧めではありません。
糖類や炭水化物は消化が良いので、取りすぎは駄目ですが、脾気虚の人は控えすぎもよくありません。
上手に付き合う事が大切です。

気虚の人の食事

エネルギーが足りない人の事を中医学では気虚と言います。
気虚の人にお勧めの食事がヤマイモと鶏の胸肉です。
どちらもエネルギーたっぷりの食材です。
気虚の人は胃腸が弱い人が多いので、あまり脂っこいものはお勧めではありません。
食事の時も、胃腸をひやさないようにする事が大切です。
また食事の時に水分を取りすぎると胃酸や消化酵素の働かが悪くなります。
水分は食事とは別な時間に補給するのがお勧めです。

アスピリンの中医学的な薬理

ちょっと古い文献ですが、中医雑誌の2014年に、アスピリンの中医学的な薬理を研究した論文が掲載されています。
150人の患者さんにアスピリンを使って、どのような中医学的な症状が改善したか調べました。
結果として、
 1.アスピリンは熱証の改善が寒証の改善よりも良い   アスピリンの薬性は寒涼
 2.熱実と虚熱での差はない              アスピリンは虚証にも実証のも使える
 3.陰虚と陽虚とで比べると陰虚の人に効果がある
 4.心の症状の改善に効果が良い            帰経は心
 5.胆の症状にも効果が良い              帰経は心と胆
 6.瘀血に対する効果が良い              活血化瘀
 7.それ以外にも気滞 気虚 気陥にも効果がある
 8.胃腸に対する作用はなく、胃腸の症状は悪化する場合もある
という事が解りました。
基本的には、予想通りでしたが、アスピリン以外でも調べてみると面白いと思います。

下痢の漢方

下痢の場合、漢方は比較的良く効きますが、使い方が大切です。
1.細菌やウイルスによるもの
  いわゆる胃腸風邪とかノロウイルスです。
  この場合、1番良く使うのがかっ香正気散です。
  これだけで対処できない場合はこれに黄連解毒湯、半夏瀉心湯、人参湯などを併用します。
  注意するのは、無理矢理に下痢を止めない事です。
2.腸の蠕動運動によるもの
  中医学的には気の流れの問題です。
  ストレスと関係します。
  お腹の脹りが強い場合は開気丸をよく使います。
  そうでない場合は、桂枝加芍薬湯を使います。
  また腸の中の水分が多い場合は一時時に五苓散も有効です。
3.食滞によるもの
  胃腸の消化能力を超えて飲食した場合です。
  中国では保和丸をよくつかいますが、晶三仙でも良いです。
4.脾虚によるもの
  体質的に胃腸がよわく、慢性的な下痢の場合です。
  健脾散顆粒をよく使います。
5.湿熱によるもの
  腸の中に湿熱という汚れがたまっている場合です。
  便が出てもすっきりしない事が多いです。
  この場合は、漢方は慎重に選ぶ必要があります。
6.冷えによるもの
  一時的にお腹を冷やしておこる下痢です。
  人参湯などをよく使います。

イライラ

イライラの原因は体内で「火」が強くなりすぎている状態と考えます。
主に、心火と肝火があります。
心火は不眠、動悸などを伴います。
そうでない場合は肝火です。
肝は五行では「木」に属します。
生の木は潤いがあり燃えにくいですが、乾燥した木はすぐに燃えます。
ですから、肝火が強い人は木に潤いが無いと考えます。
そこで、肝火を消す作用の漢方だけでなく、肝に潤いを与えるものを使います。
そうしないと、一旦肝火が収まっても、すぐにまたさいねんします。
肝火を消すものとしては「瀉火利湿顆粒」
肝を潤すものとしては「双料杞菊顆粒」などがあります。

血が足りない状態

血が足りない状態を中医学では血虚(けっきょ)と言います。
血が足りないというと、すぐに思いつくのが貧血です。
確かに貧血も血が足りない状態の一つです。
ですが、それ以外にも血が足りない状態があります。
それは血の量の不足です。
貧血は採血して、血液の濃度を測ります。
血液の量は測りません。
これに対して、中医学の血虚は採血はしません。
脈、舌の色、爪の色、生理の色と量、髪の毛などで判断します。
最近では血流計という便利なものがあり、それで測定する事も出来ます。
病院で貧血がないと言われても、血の量が足りなければやはり貧血と同じように問題がおこります。
この点は注意する必要があるでしょう。

漢方を飲んでからの変化

漢方を飲み始めて変化があった場合それが漢方によるものなのか、たまたまなかの判断が難しいですね。
もしその変化が漢方を飲んだ時に多くの人に共通して起こる変化の場合は漢方が原因判断できます。
しかし、めったにないようなケースの場合は判断に困ります。
その場合、もし悪い変化の時は一旦漢方をお休みしてもらいます。
そして、結果的には漢方と関係が無い事が殆どです。
では、どうしてそのような事があるかというと、漢方に対する期待や不安が大きすぎるからだと思います。
期待が大きいと、ちっょとした良い変化も漢方のおかげと考えます。
不安が大きいと、些細な悪い変化も漢方のせいにします。
あまり一喜一憂しないで、少し長い目で変化を見てあげて下さいね。

漢方の味

体にあった漢方だと、意外と美味しく感じるという説があります。
確かに、野生の動物は、その味や臭いで体に必要かどうか判断しています。
しかし、私たちが食べているものは、殆ど味付けされていて、調味料漬けです。
自然の味などは分からなくなっています。
体によくないタバコなども美味しく感じる人もあります。
ですから、私たちのこの野生の感覚はあてにならなくなってしまいました。
始めは飲みにくい漢方も続けていると飲みやすくなる事はよくあります。
良薬口に苦し。
頑張りましょう。

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