タイトル一覧
巧婦難為無米之炊
漢方は大工さんです。
家を建てるのに大工さんは必要です。
でも大工さんだけで建築資材がないと家は建てられません。
建築資材は毎日の食事です。
腕の良い大工さんと、しっかりした建築資材があって初めて丈夫な家が出来ます。
中国の諺に「巧婦難為無米之炊」というのがあります。
どんなに聰明で仕事上手の奥さんでも、お米がなければご飯は炊けない。
あたりまの話です。
漢方は巧婦であって米ではありません。
漢方の副作用
漢方にも副作用はあると大きな声で言う人があります。
私はこれは正しくないと思います。
勿論、口に入るものですから、アレルギーのようなものはあります。
中医学は効き目を良くする工夫だけでなく、どのようにしたら副作用が出ないか、長い間研究されてきました。
その結果、体質や状態を判断て薬を使う、弁証論治という方法が考え出されました。
ですので、西洋医学の病名だけで薬を選んで弁証論治をしないと、体質にあわない事があります。
それを副作用と決めつけてしまうのは、なんとも漢方が可愛そうです。
抗内膜抗体
中国では、内膜がなかなか厚くならない場合によく調べられているのが抗内膜抗体というものです。
抗内膜抗体は、自分の内膜に対する抗体です。
この抗体があると、抗体が内膜を攻撃して炎症をおこします。
慢性的な炎症なので、慢性子宮内膜炎となります。
中国では抗内膜抗体の場合は、漢方薬で治す事が多いです。
漢方で治療して、抗体が無くなれば良いという事です。
残念ならが日本では調べられていません。
ただ、なかなか厚くならなかった内膜が漢方で厚くなる事はよくあります。
抗体の検査をしていないのではっきりは言えませんが、慢性炎症が治っている可能性もあります。
免疫のバランス
お母さんにとって、赤ちゃんや受精卵、精子は異物なので、これを排除してしまう可能性があります。
免疫が強すぎる場合です。
中医学的には、アレルギーや自己免疫と考えます。
不育症の検査では、いくつかの抗体を調べています。
ただし、抗体の種類は何億種類もあると言われています。
これらの抗体全部を調べるのはとても無理です。
それで代表的な抗体を調べます。
以前は抗核抗体が良くないと言われていました。
しかし、今は抗核抗体はあまり重視していません。
このように、抗体にかかわる部分はまだ充分に解明されていません。
未知な部分に関しての治療は、漢方薬が適しています。
漢方の場合は抗体の種類を特定しなくても体質改善として治療することが出来るからです。
子宮の動き
子宮は普通のエコーで診ても動いているのは解りません。
一定の間隔で静止画をとり、それをつなげて動画にすると動きが解ります。
子宮は生理の時は、経血を出すため、上から下に動きます。
排卵の時は精子を送りこむ為、下から上にうごきます。
着床の時はあまり動かない方が良いです。
これらの状態がうまく行かなくなると妊娠率が下がると考えられます。
ただし、まだはっきりとしたデータがあるわけではありません。
これからの研究が待たれる所です。
卵管の汚れ
卵管が詰まっていると言われた方で、漢方を数ヶ月飲んでつまりがなくなっている事がよくあります。
よく使うのが、活血化瘀と理気化痰の漢方です。
この事から、血液の固まった汚れとか、繊維、脂の汚れが詰まっているのではないかと思います。
卵子の質と漢方
卵子の質が悪くなる原因が、純粋に老化だけなら漢方でも卵子の質を良くするのは難しいでしょう。
しかし、老化以外にも色々な原因で卵子の質は悪くなります。
これらの原因をとり除いて行けば、その分、卵子の質は良くなると考えられます。
では、何が卵子の質を悪くしているのでしょうか?
1.必要なものが足りない
気虚 陽虚 エネルギー不足です。最近注目されているミトコンドリアもこれに関係しています。
血虚 卵巣に行く血液が不足しているケース
陰虚 潤い不足です。卵胞液の質とも関係します。
2.汚れがたまっている
瘀血 血の汚れです。 古い血の汚れを陳久瘀血といいます。
特にチョコレート嚢胞は卵巣の機能低下の原因になります。
痰湿 汚れた水、脂、繊維などです。
最近問題になっているのが糖化です。 蛋白質と砂糖が結合するとなかなかとれなくなります。
これを糖化と言います。卵子も糖化すると考えられますから、要注意です。
3.バランスが悪い
ホルモンや自律神経などのバランスが悪くなっている
1-3に関しては、それぞれの原因や体質に応じた漢方薬で対応できるとかんがえます。
ただし、漢方以外にも食事の注意、睡眠、適度な運動なども一緒に考える必要があります。
胃腸の働き
中医学では胃腸の働きを「脾」と「胃」に分けて考えます。
胃は食べ物を受け取り、それを腸に送ります。
ですから、下におりる働きです。
この働きが悪くなると、食べ物が下におりなくなります。
胃が脹り、けっぷ、胸焼け、便秘などが起こります。
逆流性食道炎などもこのケースです。
脾は、食べ物を吸収して、栄養を上に運びます。
この働きが落ちると、栄養が下に流れ下痢したり、胃下垂になったりします。
気が上がらず、栄養不足でやせて来たり、力が入りません。
下に降ろす胃と、上に昇る脾は明確に区別します。
主に胃に働く漢方が晶三仙、平胃散、健胃顆粒などです。
そして脾に働くのが健脾散、補中益気湯などです。
脾と胃の働きの区別を知っておくと漢方の胃腸薬の使い分けが出来ます。
火鬱発之
中医学ではストレスが溜まった状態を「気滞 きたい」と言います。
つまり気の流れが悪い状態です。
気滞が続くとイライラしてきます。この状態が「火鬱」です。
つまって、化熱してくる訳です。
普通の熱は、清熱といって冷やす漢方を使います。
ただ、火鬱の場合は治療方法が違います。
「火鬱は之を発せよ」という理論で、香りの良いもので発散されます。
ハッカ、紫蘇、パクチー、ネギ、ニラ、バジルなどです。
ベルガモットなど柑橘系のアロマもお勧めです。
清熱薬を使うと、熱はとれても気の流れがもっと悪くなってしまう可能性があるからです。
漢方の風邪薬
葛根湯は風邪薬で有名ですが、どんな風邪でもよい訳ではありません。
1番大切なポイントは「寒気があるか?」です。
次ぎに大切なのが「節々の痛み」です。
この二つがあればまず葛根湯を使って見て下さい。
銀翹解毒散は、あまり有名ではありませんが葛根湯よりも使う機会は多いです。
何となく熱っぽくて、寒気す少し、喉が痛かったり、喉が渇く感じがあります。
このまうな場合はまず銀翹解毒散を使って見て下さい。
胃腸風邪の場合は勝湿顆粒をまず使います。
吐き気、下痢、少し寒気やだるさを伴います。
この3つは常備薬としておいておくと良いでしょう。
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