目次形式に切り替える4.乾と坤
中医学の理論の中で陰と陽の理論はとても大切です。
陰と陽の理論は、中医学だけでなく中国哲学のあらゆる分野で見られます。
特に八卦という概念は、占いで有名ですが中医学の分野でも基礎的な概念を説明するのに役立っています。
八卦の理論では宇宙の始まりは「太極 たいきょく」と言われるものです。
この状態は陰も陽もない混沌とした状態です。
太極が動じて陽を生み、太極が静まって陰を生みます。
この状態を「両儀 りょうぎ」と言います。
両儀は純粋な陰である「坤 こん」と純粋な陽である「乾 けん」で出来ています。
これを記号であらわすと坤は – – で 乾は - となります。
私達の住む世界は、この宇宙の始まりである純粋な陰と陽は存在しません。
概念としてはあるのですが、実際にはどんな陽にも多少の陰は含まれていますし、どんな陰にも多少の陽は含まれています。
例えば陽の象徴である火の中にも水蒸気という状態で陰である水を含んでいます。
また陰の象徴である水の中にも温度という状態で陽を含んでいます。
ですからこの世の中には純粋な陽や純粋な陰は存在しません。
3.おりものの種類
オリモノは多い方が良いでしょうか?少ない方が良いでしょうか?
オリモノにも色々な種類があります。
外陰部から出るもの
膣から出るもの
子宮頚管から出るもの
子宮から出るもの
卵管から出るもの
があります。
この中で妊娠と係るのは下の3つです。
まず頚管粘液。
これは排卵の5日くらい前から出始め排卵の2-3日前にピークになります。
精子を通す働きがありますが、それ以外にも卵胞の発育が良いと沢山でます。
子宮頚管から出るおりものは、粘っこくて透明なものです。
ただ他のおりものと混ざってしまうと粘りが弱くなったり白くなったりします。
頚管粘液は多い方が良いと考えられます。
ただ、そもそも頚管粘液はそれほど多くは出ません。
ですので、気がつかない事も多く、また粘り気が強いと膣の中にたまって出てこない場合もあります。
妊娠を希望される場合は、夫婦生活の目安になるので、チェックされると良いでしょう。
子宮から出るオリモノは2種類あり、高温期に内膜から分泌されるものと子宮内の水があります。
前者は正常なもので、色は白っぽく、乾くと黄色くなります。
子宮内の水は、さらさらで一気に出るので出てくるのが良くわかります。
卵管の水も同じで、動いた時などに一気に出ます。
量が多いと尿漏れのようになります。
この2つのオリモノは無い方が良いでしょう。
昔の書物でもオリモノが多いと妊娠しにくいと書かれています。
これはおそらく、頚管粘液の事ではなくて子宮や卵管の水の事を意味していると思われます。
これ以外には、ガンジタやトリコモナスなどが原因の場合があります。
痒みがあったり、オリモノの匂いがある場合などはお医者さんに行って下さい。
2.ノビレチン
ノビレチンという成分がアルツハイマーに良いという説があります。
ノビレチンは沖縄の果物、シークワーサーに多く含まれています。
小太郎漢方は生薬の一つ、「陳皮」の中でノビレチンを特別に多く含むものを見つけて「ノビレチンピ」と名づけました。
どうもノビレチン + チンピ = ノビレチンピ というダジャレのようですが。
動物実験してみると、ノビレチンだけ含まれているものよりもノビレチンピの方が格段に効果が良かったという事でした。
おそらくノビレチンピにはノビレチン以外の有効成分があり、それがノビレチンと相乗効果を出しているのではという話でした。
まだデータをとっている段階なので、すぐにこれがアルツハイマーの薬として使う事は出来ないのですが、試しに飲んでみると確かに頭がスッキリする感じはありました。
ただし、そうでも無いという人もあり、若い人には効きにくい感じがしました。
1.抑肝散加陳皮半夏と加味逍遙散の違い
最近、よく質問されるのが抑肝散加陳皮半夏と加味逍遙散の違いです。
どちらも肝の気の流れを整える働きがありますが、少し作用が違っています。
この解説をする前にそれぞれの基になった処方、逍遥散と抑肝散で比べてみましょう。
共通する成分 柴胡 当帰 茯苓 白朮 甘草
逍遥散にたげ入っているもの 芍薬 薄荷
抑肝散にだけ入っているもの 川芎 釣藤
となり、かなり似通っています。
どちらも肝の働きを良くします。
肝は体は陰、用は陽といいます。
体とは肝臓そのもの、用はその働きです。
柴胡は気の流れをよくして肝の用の働きを良くします。
当帰は肝の体、特に肝血を補う作用が良いものです。
この2つで肝を補います。
肝の病気は脾に伝わります。
そこで脾を丈夫にする白朮、茯苓 甘草を加えてあります。
ここまでが共通部分です。
違うのは、芍薬、薄荷と川芎、釣藤です。
芍薬の働き 肝の血と陰を補う作用があります。 また収斂作用があります。
薄荷の働き 気の流れを良くします。 こもった熱を出す作用があります。 発散作用があります。
川芎 血の流れを改善します。血管を広げます。
釣藤 血管を広げます。 気の流れを良くして緊張を改善します。
この結果として
抑肝散は川芎、釣藤で血管を広げ血流を良くするので顏色が青い人に適しています。
逍遥散は潤いを与えたり、こもった熱をとる作用があります。
抑肝散は全体としては温める作用がかなりあります。
逍遥散は温める力は少しです。
逍遥散のこもった熱をとる力を強化するために山梔子と牡丹皮を加えたものが加味逍遙散です。
加味逍遙散は全体としては少し冷やす作用になります。
ではのでのぼせとかホットフラッシュに多用されています。
抑肝散加陳皮半夏は抑肝散に陳皮と半夏を加えたものです。
陳皮と半夏は痰湿をとる作用があります。
痰湿とは汚れた水や油、繊維などです。
茯苓、白朮にも痰湿をとる力がありますので、抑肝散も逍遥散もどちらも痰湿をとる作用がありますが
抑肝散加陳皮半夏はよりその力を強化しています。

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