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354.「かけそば」と「ざるそば」
かけそばとざるそばでは、タレが少し違います。
ざるそばは、鰹節をメインにしたパンチがあるタレです。
それに対してかけそばは、みりんを少し多めにして、しいたけや他のダシも入れます。
そうめんのタレと似ています。
とても気に入っているそばつゆがあるのですが、これはざるそば用で、かけそばにしてもあまり美味しくありません。
かと言って寒い時期にはざるそばはあまり食べたくありません。
そこで、温かいざるそばを食べています。
茹でたそばを湯切りして丼に入れ、温めたざるそばのつゆをかけます。
愛用のそばつゆは、ストレートタイプなので、そのまま少量です。
お好みで卵、とろろ、ネギ、のりを入れます。
ゆず唐辛子をかけて完成です。
普通のかけそば急いで食べないとすぐに伸びてしまうのですが、これは伸びにくく最後まで美味しく食べられます。
またタレが少ないので塩分の節約にもなります。
勿論、お気に入りのタレとのマッチングも最高です。
353.刈谷のクーポン
ラインに刈谷市登録すると刈谷の特定のお店で使えるクーポンが取得できました。
当店は登録していないので使えなかったのですが、使えるお店はかなり賑わっていました。
毎週2000円ずつ、6週間、合計金額で12000円分のクーポンが使えるというなかなかの大判振る舞いでした。
クーポンが使えるのは刈谷市民だけでなくて、誰でも大丈夫。
という事で、あっという間に終了。
6週間が2週間で終わってしまいました。
3週間目も、少量発行するという事でしたが、取得するのがとても困難でした。
352.中医学の勉強をすすめるための4つのステップ
ステップ1 基礎づくり
中医学基礎、内科学、婦科学、方剤学、中薬学の教科書を読む
この部分は、店頭で役立たない事も多いが中医学を理解するためには必要なので頑張る。
完全に記憶しなくても、後で忘れても良いと思う。
細かい事を完全に記憶するより、中医学全体の構造を把握するの事が大切。
ステップ2 臨床を学ぶ
臨床実践をマスターするためには医案を読むのが良い。
ただ、古い医案はだめ。1960年以降のものが良い。
何故かというと、古い医案には西洋医学の診断が無い。
例えば同じ「胃痛」でも、胃痙攣、胃潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどがあり、簡単に「胃痛」ではくくれない。
病名が胃痛となっている医案はあまり参考にならない。
これらの医案は日本語に翻訳されていないものが多い。
なので、中国語で読む必要がある。
これらの医案は読むだけなら中国語でもそんなに難しくない。
簡体字を100程度覚えれば何とかなる。
発音は出来なくても、漢文を読む要領で良いと思う。
ステップ3 古典を学ぶ
中医学を深く理解するには古典を読む事が必要。
古典を学ぶと、中医学の発展の歴史がわかり、どのように変化して来たか分かる。
また単なる医療ではなく中国の文化や哲学と深く結びついているのが分かる。
古典は海のように広く、おそらく一生かかっても学び切れない。
古典の世界に浸っていると、ミイラ取りがミイラになる。
なので、適当に切り上げる方がおすすめ。
勿論、古典が好きなら一生勉強するのも良いと思う。
ただ、店頭の漢方相談を中心にするなら古典はある程度でやめておこう。
ステップ4 新しい理論を作る
中医学は、臨床経験から、仮説を作る。
仮説は、実験をしなくても頭の中で考える事が出来る。
色々な仮説を考えてみる事は大切だと思う。
使えない仮説も沢山あるだろう。
もしその仮説が臨床に応用出来ると、時間をかけてそれは定説となる。
定説があつまり理論を作る。
中医学は一歩進んだ事になる。
伝染病の治療として、傷寒論の世界から、新しい温病の理論がるまで千年以上を要した。
これは、恐らく傷寒論があまりにも完成されたものだったので、それを継承する事しか出来ず、新しい仮説を考えなかったからだろうと思う。
351.肝気虚は本当は多い
肝気虚は中医学の教科書にはあまり載っていません。
しかし、実際の臨床ではとても多いものと思っています。
具体的な症状は
朝、起きられない
学校や仕事に行きたくない
体がだるい
朝、お腹や手足の痛みがあり昼くらいには良くなる
落ち込みが多いが時にイライラ
などです。
昼くらいになると元気になるのが特徴です。
肝が胆に影響すると、不安感、落ち着かない、物音に驚きやすいなどの症状が出ます。
また心に影響して不眠や動機になる事もよくあります。
脾に影響して、腹痛、下痢になる事もよくあります。
肝鬱気滞と症状が似ていますが、肝鬱気滞は実証なのにたいして、肝気虚は虚証になるので使う薬も違います。
350.中医学における定位の意味
定位というのは、この漢方は肝の薬、心の薬など、臓腑に割り振られ働く場所を言う。
この時、イメージするのは、例えば肝の薬なら、飲んだ漢方が胃腸から吸収され血液の流れに乗って肝臓にあつまり、そこで作用するというイメージだと思う。
腎の薬なら腎に集まり、心の薬なら心臓や脳などに集まるという考えか方だ。
実際にはどうなのだろうか?
確かに成分によってある場所に集まりやすい性質はあるかも知れない。しかし、それが定位とは考えにくい。
肝の働きは肝臓だけでなく、自律神経も肝の一部だ。
自律神経はほぼ全身に作用している。
また、それをコントロールしているのは視床下部だ。
だから、肝臓に集まっている訳ではない。
そもそも、腸から吸収された有効成分は門脈を通って肝臓に運ばれるが、その後は心臓から全身に運ばれる。
そういう意味で、どんな成分であっても全身にくまなく配分される。
ただ、配分された有効成分の作用の種類によって、自律神経に作用するものを肝の薬と定義したものだと思う。
つまり、定位というのは肝臓とか腎臓といった特定の臓器や場所を意味するのではなく、あるシステムに作用するものと考えて良い。
349.瘀血の定位について
「心血瘀阻」以外で、瘀血の定位は行われない傾向があります。
心血瘀阻は狭心症など比較的症状がわかりやすいですが、他の瘀血はわかりにくい傾向があります。
しかし、心血瘀阻以外にも確かに瘀血はあります。
例えば、肺性心とか肺の瘀血。
旧病入絡と言うように慢性的な呼吸困難は瘀血の関与が考えられます。肝硬変が長引くと門脈圧があがり、お腹の静脈が浮き出して来る事がありますが、これは明らかに肝の瘀血です。
食道静脈瘤も瘀血の一種です。
腎臓が悪いと、血圧が上がる場合があり、これは腎の瘀血と言えます。腎は毛細血管が多い臓器で、腎機能が悪い時に冠元顆粒で改善する場合があり、これは腎の瘀血と言えます。
八味地黄丸に牡丹皮が含まれているのはとても意味深いものがあります。
脾の瘀血は症状としてはわかりにくいですが、糖尿病などで動脈硬化を起こす場合は脾の瘀血と言えます。
さて、では何故、瘀血の定位はあまり行われないのでしょうか?
血液は全身を循環しているため、どの部分の瘀血であっても活血化瘀の薬が使われます。
つまり瘀血の部位によって使う薬の変化が少ないのであまり考慮されていないのだと思われます。
医林改錯を見ると、瘀血の部位により使い分けがされています。
これから考えると、やはり瘀血も定位を考える事は必要と思います。
348.弁証論治 過去から未来へ
中医学の弁証論治は今の状態を幾つかに分類して対策を考える方法です。
まず虚実に分けます。
虚は必要なものが足りない場合で、気虚、血虚、陽虚、陰虚があります。津液不足などもあります。
次に定位を考えます。
例えば、心気虚なのか脾気虚なのかとか、肝血不足なのか心血不足なのか。
陽虚も脾陽虚、腎陽虚、心陽虚などにわけたりします。
邪実は、外邪と内邪に分けます。
外邪は風 寒 暑 湿 燥 火にわけ、内邪は気 血 痰 湿 食 火に分けます。
私はこれ以外に宿邪というものを考えています。
宿邪は外邪が体内にいすわった状態で、アレルギーなどによく見られます。
例えばウイルスや細菌は外邪ですが、それに対する抗体が出来ます。この抗体が正常に働けば良いですが、体内の正常な細胞に影響する事もあります。
有名なのは腎炎や尋常性乾癬ですが、他にも色々な免疫異常が考えられます。
邪気の性質を見分けたら、定位を考えます。
外邪と宿邪は表裏や三焦ですが、五臓六腑も考えます。
内邪は五臓六腑が主です。
さて、ここまでは現在の状態を考えたものです。
でも一歩進んで、もう少し過去を考えてみましょう。
過去として、もともとの体質と、病気を引き起こした原因を考えます。
もともとの体質は、気血水の不足、気の流れの異常があります。
気の流れの異常は気滞以外にも気が上に昇らない下陥もあります。
また発散と収斂の異常もあります。
もともとの体質は、主には遺伝です。
ただ、生活環境や食生活など、遺伝子のスイッチに関わる部分もあります。
悪い遺伝子を持っている場合はそのスイッチを入れないようにする事が大切です。
病気を引き起こす原因としては、ストレス、暴飲暴食、過労、感染症などで、病因と言います。
その中でもっとも難しいのは老化です。
もともとの体質 + 病因 = 病気
病気の現在の状態 弁証
この二つから、未来の予測が出来ます。
「上工はは未病を防ぐ」
これは必ずしも予防だけではありません。
今、病気になっている人の悪化を防ぐという事です。
囲碁や将棋で、何手も先を読むのと同じ意味です。
347.弁証論治におすすめ本
弁証論治にお勧めの本として 東洋学術出版 「症例から学ぶ 中医弁証論治」焦樹徳著 があります。
弁証論治の本や症例の本は沢山あるのですが、この本は症状を整理して弁証を簡単な図式にしています。
症状が多いと頭の中がゴチャゴチャになって、どのように整理したら良いか解らなくなる事があります。
その時は、情報を整理して図式化すると良いです。
しかも単なる弁証論治だけでなく、因果関係も考えていて、病機を考えるにもとても良い方法だと思います。
例えば産後の耳鳴りと頭痛は
産後に発病
経血量が少ない
全身倦怠感
脈象細 血虚
↓
生風
脈滑 |
疲れやすい |
横になりたがる 痰濁 --- |
風が痰濁を挟む
頭痛 耳鳴り 身体上部を犯す
このような図式になっています。
日頃からこのような方法で弁証論治して自分でもこのような表を作る事が出来るようになるると相当なレベルアップになるのではと思います。
346.伏邪新書について
邪気は外邪と内邪に分けますが、あまり知られていませんが、それ以外に伏邪があります。
伏邪は清の時代の劉吉人という人が書いた「伏邪新書」という本に詳しく書かれています。
初めてこの本を見た時に大変なショックを受けました。
一般的に伏邪は、「冬に寒邪を受けると春に温病となる」と言ったような、伏気としての概念しかありませんでした。
この伏邪新書では伏気以外に病機が直った後に再発する場合とか、後遺症にあたるような場合なども伏邪としています。
伏邪には伏燥、伏寒、伏風、伏暑、伏湿があると書かれています。
この頃はまだ現代医学の考えは無かったので、いわゆる抗体とかアレルギー、自己免疫などという事は知らなかったはず。
ここに書かれている内容は、免疫と関係するような症状が書かれています。
個人的には伏邪は、免疫のバランスが悪くなっている状態と考えています。
このように考えると伏邪の考えは色々な病気に応用できます。
「燥邪が極まると却って潤いが生まれ、口の中に泡が出来る。これはちょうど温病の邪気が営分や血分に入ると口渇が減るのに似ている」
「胃腸が丈夫で伏風にあたると、食べるとすぐに下痢をする。これは脾虚ではない」
面白いのは伏湿の治療の中に「鶏肉とフカヒレのスープ」と言うものがある。これで病機が治るならとてもうれしい。温病でよく使われる雪羹(クロクワイとクラゲのスープー)よりも美味しそう。
345.検査値と中医学
血圧が高いから下がる漢方が欲しい
血糖値、中性脂肪、尿酸が高いから下がる漢方が欲しい
こういった相談が多い。
ただ、これはもともと無理な相談だと思う。
なぜなら、中医学が発展して来た数千年の歴史の中で、これらの現代医学的な検査をするようになったのせいぜい100年くらいの短い期間だからだ。
これらの検査値が上がる原因を中医学的に説明はできるが、まだ理論としては確立されていない。
なので、弁証論治も治則もまだこれから作っていく状態と言えます。
もちろん、血圧に良い処方というものも研究されていますが、この漢方を飲めば血圧が下がるというものは無いし、あったとすればそれはもう中医学の範疇には無いと言えます。
来月に会社の健康診断がある。
なんでも良いからすぐに血圧を下げて欲しい。
漢方薬は体質改善です。
体質改善しないで、血圧だけ下げるという方法は無いでしょう。
あったとすれば、それはもう漢方薬とは言えません。れっきとした西洋薬です。
漢方は体質改善をしていく中で自然に血圧が下がり、中性脂肪やコレステロールが下がり、ダイエットできると言えます。
つまり、数値を下げるのではなく、いかに健康で長生きするかの医学なのです。
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