深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

症状は本質ではない

患者さんから言えば、早く症状を改善したいという気持ちが強いでしょう。
例えば、咳が出るなら咳をとめたい。
かゆみがあるならかゆみをとめたい。
眠れないなら、早く眠りたい。
そうなると、「咳に良い漢方はありますか?」とか、「かゆみに良い漢方はありますか?」「よく眠れる漢方はありますか?」というふうになります。
ただ、どんな咳にも良く効く漢方というものはありません。
どんなかゆみにも良く効く漢方もありません。
飲めばすぐ眠れる漢方もありません。
中医学から見れば症状というものは、結果であり、二次的なものです。
症状が出るのは、必ず原因があります。
漢方は咳を治療するのではなく、原因を治療します。
ですから、「とにかく咳を止める」漢方はありません。
まず、何故、咳が起こるかを考えます。
そして、そのメカニズムを考えます。
これを病因、病機と言います。
例えば、もともと肺が弱い肺気虚の体質の人が無理をして体力が低下します。
肺は免疫と関係して、これを衛気と言います。
衛気が不足すると外邪とかが侵入しやすくなります。
外邪にも色々種類があるのですが、例えば寒さを含む邪気、寒邪が侵入したとします。
ここまでで、弁証は、「肺気虚による風寒外束」と言います。
弁証が決まると治療原則が決まります。
治療原則は、「辛温解表、補肺気」となります。
ここまでを弁証論治と言います。
弁証論治に基づいて、処方を決定します。
この場合、使う処方も体質などにより違いがあります。
風寒外束の場合、よく使うのが桂枝湯や香蘇散です。
寒邪がつよく、汗が出ない場合は葛根湯や麻黄湯も使います。
肺の衛気虚があるので、衛益顆粒を併用するか、咳がなおってから体質改善として続けます。
このように考えると、「咳が出るからこの漢方」と簡単にはいかないのです。



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