血は何処で作られる?
血は骨髄で作られると言う事は、今の人はみな知っている。
ただ、中医学が生まれた古代の人はこの事は解らなかった。
それで中医学では血の生成は、以下のように考えていた。
食べたものは脾に運ばれ、そこで吸収した精微物質は肺に運ばれ、胸中の宋気とまざりあい赤く変化して血となり、心と肺の機能により全身に運ばれる。
そうすると、今の理論とあわない。
あわない場合は、潔く訂正した方が良い。
1つ目の考えは、骨は腎なので骨髄も腎の一部。
だから血は腎で作られる、とする考え方だ。
この考え方の問題としては腎と血の関係はあまり深くない。
肝腎同源という理論のもとに、腎血は肝血に置き換えられている。
腎血があったとしても肝血との区別は曖昧なので、まとめて肝血で良い。
肝血虚の本当の意味は肝腎血虚なのだ。
だから、骨は腎でも骨髄は肝とする方がすっきりする。
これが2つ目の考え方だ。
最終的には、血は脾で生成された精微物質が肝(骨髄)に運ばれ、血となり、心に運ばれる。
心から肺に移行して胸中の宋気(酸素)に出会い、心にもどって全身に運ばれる。
これが現代医学を加味した新しい中医の理論だ。
私は古典的な中医学の血の生成を否定はしない。
ただ、その中に肝と肝腎同源としての腎の働きが組み入れられていないのが不備だと思う。

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