中国式と日本式の漢方の一番の違い
中国式の漢方を中医学と言います。
では、日本式の漢方と中医学の違いは何でしょうか?
日本式は、方証相対と言って、こんな場合はこの漢方薬という使い方です。
体系だったものではなく、師匠から弟子に伝える口訣のような形式のものです。
日本には漢方薬専門の大学は無いので、このような勘弁な形式のものが普及したのだと思います。
中医学は弁証論治を基本としています。
病気の原因を考え、何処がどのような状態になっているかまず判断します。
そのためには、生理学が必要です。
さらに生薬の作用、処方の組み立てなど生薬学、方剤学があります。
経絡を組み合わせ、一つの医学体系を作っています。
中国では6年かけて中医学の勉強をします。
そのあと、病院実習などを経て、一人前の中医師になるには10年以上かかります。
このように中医学は学ぶのがとても大変な学問です。
中医学の大学や付属病院が無い日本で、この体系だった学問を極めるのは大変です。
それで勘弁な日本式の漢方が普及していると言えます。
このように中医学と日本の漢方の違いは沢山ありますが、一番の違いは、臓腑弁証です。
中医学は生理学がとてもしっかりしていて、各臓腑の生理を定義しています。
生理学が解らないと病理も分かりません。
しっかりした生理学の上に病理学が出来上がっています。
ですから、ある症状、病気は、どの臓腑に問題があり、そこがどうなっているか判断します。
このような病理の上に、治療方法が考えられます。
病気の診断
生理学 → 病理学 → 弁証
病気の治療
生薬学 → 処方学 → 論治
このような組み立てになります。
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