水毒について
水毒という言葉は、日本漢方ではよく使いますが、中医学にはありません。
中医学では水毒をもう少し細かく考えています。
湿 余分な水。サラサラとしている。
脾胃が冷えていたり、腎陽虚などによく見られます。
肺気の流れが悪くなった場合にも見られます。
湿濁 普通の湿より汚れがつよく、少し粘る事もある
冷えが原因の場合も、熱が原因の場合もあります。
痰 ねばっこく、時に脂っこいもの。
気管支から出るだけでなく、体のあちらこちらにたまる。
成分は水と脂が混ざったようなもの。
これも冷えが原因の場合と熱が原因の場合があり、寒痰と熱痰に分けて考えます。
舌が湿っている場合は寒痰が多く、乾いている場合は熱痰が多くなりますが、口渇、脈などその他の症状もあわせて考えます。
痰濁 痰と湿濁をあわせたもの
痰湿 痰と湿をあわせたもの
このように分類して考えます。
体が冷える事によって水の流れが悪くなり、湿が増える事が多いようです。
体内の陽気は、津液を気化して体内をめぐらせます。
腎の陽気が不足するとこの気化の働きが悪くなり、余分な水がたまると考えます。
脾の陽気が不足すると、脾の運化(消化吸収)の力が弱くなり、水分を吸収する力が弱くなります。
これも湿がたまる原因です。
肺気、体中に気を巡らせる作用がありこの作用がうまく行かないと、やはり肺の中に痰や湿がたまっていきます。
また熱により津液が煮詰まって、痰濁などとなる事もよくあります。
痰は水だけでなく脂を含めています。
中性脂肪などは痰の一部と言えます。
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