中薬物語 茘枝核
ある日、中国の唐代の有名な詩人、白居易が家の中で詩を推敲している時に南方に住んでいる友人が訪ねてきました。
かれは成熟したばかりの茘枝の実をもってきました。
そこで二人は茘枝を食べながら詩について語り合いました。
この時、白居易の妻の春蘭が来て机の上にならんでいる沢山の茘枝の食べ終わった実の種を見て、紙に包んで引出に入れました。
1ヶ月後、白居易は疝気という病気になりました。(鼠径ヘルニアや睾丸が腫れるなど、下半身にしこりが出来る病気の総称)
動くのも大変でした。
春蘭はお医者さんの所に行き処方を書いてもらいました。
そのお医者さんが書いた処方が茘枝の種でした。
そこで春蘭はしまってあった茘枝の種を取り出し煎じて飲ませました。
何日もしないうちに白居易の病気は治ってしまいました。
それから白居易は会う人会う人に「疝気は茘枝の種を飲むとすぐによくなる」と言いました。
その後、白居易は都に引っ越しました。都で御医に会った時にもその話をしました。
ちょうどその御医は漢方薬の本を編集している時でした。
そこでひの御医はその本の中に「茘枝核」として茘枝の実の話を加えました。
それで茘枝核の効能が後生に伝わる事になったのです。
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