5つの味
生薬の味は。「酸・苦・甘・辛・鹹」の5つに分けられます。
鹹は「しおからい」つまり「しょっぱい」の意味です。
日本語の読みは「かん」、中国語は「Xian2 しぇん 2声」です。
日本ではあまり使われない漢字ですが、中国ではしょっちゅう使われます。
このあたりは文化の違いを感じます。
酸っぱい味の生薬、たとえば山茱萸などは肝との関係が強くなります。
苦い味の生薬は、例えば黄連は心に働く生薬となります。
甘い味の甘草や膠飴は脾、辛い味の麻黄は肺、鹹味のは腎との関係が強くなります。
ただ、これは無理矢理にこじつけた部分も多くあります。
例えば苦み。少量の苦みは苦味健胃薬といって、胃腸の働きを活発にします。
たとえばアロエとか、黄柏などです。
辛いカレーなどは、肺の機能を高め発汗させるだけでなく心にも働きますし、胃腸を刺激する作用もあります。
甘い味は、エネルギー源になりますが、とりすぎれば痰湿のもとになり胃腸を傷つけます。
鹹味の生薬はあまり多くはありません。
水蛭などは鹹味ですが、必ずしも補腎作用ではありません。
補腎薬の一部は、塩水で服用すると腎まで届くという考え方がありました。
しかし、塩分はむしろ腎の負担になります。
一般的には、五味と臓腑の関係は、適量ならその臓を丈夫にしますが、採りすぎるとその臓を傷つける事になります。
テレビなどで○○○○が、○○○○に良いなどいわれて大量にとる人があります。
適量を守る事は大切です。
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