腎の実証
腎には実証は無いと言われています。
それについて考えてみると、例えば腎の部分に湿熱などの邪気が溜まった場合、腎の湿熱とは言わず、膀胱湿熱と言っています。
これは言い方の違いで実は腎の湿熱と考えて良いものです。
また、尿出血などの場合で、出血の場所は膀胱ではなく明らかに腎の場合があります。
この場合、腎の血熱と考えて涼血の薬を使う事があります。
ただ、あまり使いすぎると腎の負担になる可能性があります。
そこで使う量を加減したり、補腎と涼血を同時に行うという方法になります。
腎の実証は存在するのだけども、腎は瀉薬に弱く使いすぎると腎虚になりやすい。
そんな事から戒めとして「腎に実証は無い」と言ったのだと思います。
その証拠として、補腎薬として有名な八味地黄丸には牡丹皮が含まれています。
牡丹皮は血熱や瘀血によく使い、補う作用はありません。

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