防風
ある年の事です。
天候が悪くて村は大変な飢饉でした。
飢え死に寸前の村人は、仕方なくお金持ちの屋敷を襲って、食料を手にいれました。
役人が追いかけて来たので、村人たちは山奥のある古寺に隠れて、そこで暮らし始めました。
古寺は壁がくずれ落ちて、冷たいすきま風が吹いていました。
そこで、周囲に生えていた草をかり集めて壁の隙間を埋めました。
また、同じ草で布団を作ったり、煮炊き使ったりしました。
不思議な事に何ヶ月かたつと、関節炎を患っていた人たちの症状が改善して、
次々に元気になって行きました。
ある日、ある老人が息子を捜しにこの寺にやってきました。
老人は、お寺にいた息子と暮らし始めました。
この老人も関節炎で足を痛めていましたが、今までどんな事をしても治らなかった関節炎が治ってしまいました。
老人は、これは仏様が病気を治してくれたのだと思い、寺からおりて人々にこの話しを伝えました。
寺には、同じ病気で悩む人が大勢集まるようになりました。
そして、この不思議な草は、「防風」と名付けられました。
防風
産地 黒龍江、吉林など
セリ科 ボウフウの根および根茎
性味 辛・甘 微温
帰経 膀胱・肝・脾
効能 散風解表 勝湿止痛
応用 風邪、頭痛、関節痛など
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