深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

右腎は命門

中医学では、腎は左右にあり、右は命門で左は腎陰とされる。
命門は腎陽の意味に近い。
ただ、個人的にはこの学説が正しいのかよく分からない。
心臓は左にあり、肝臓は右にあるのは確かだし、腎が2つあるのも正しい。
しかし左右の腎臓の役割が違うとは思えない。
中医学的な腎は腎臓の意味だけではない。
骨、成長、性ホルモン、そんなものも含めて腎と言っている。
しかし、それを含めて考えても、腎の左右の違いがよくわからない。
右を命門としたのは、脈診と関係がある。
右の脈は上から、肺、脾、命門となり、気とか陽と関係が深い。
これに対して、左の脈は、上から心、肝、腎陰となり、血や陰との関係が深い。
これに当てはめて考えたのだろう。
しかし、実際の臨床で、右の脈が弱いから陽虚、気虚とか、左が弱いから陰虚、血虚とは言えない。
40年以上、脈診しているが、そんな気配は感じない。




ブログ一覧に戻る