修治について
昔から漢方薬には修治(しゅうち)という概念があります。
たとえば、黄耆をハチミツにつけて炙るとか、地黄をお酒に漬けるなどです。
修治にこだわる人と、あまりこだわらない人があります。
張錫純は、「附子などの毒性のあるものを修治するのは必要だが、それ以外のものは修治する必要は無いし、修治する事によって効果は弱くなる」と言っています。
日本の場合、薬事法の関係で自由な修治が出来ません。
その為、エキス剤などでも修治されたものを使う事は極めて少ない状態です。
東洋薬行の「東洋八味地黄丸」は、珍しく修治した熟地黄を使っています。
熟地黄は、地黄をお酒につけて乾かし、またお酒につけて乾かすという事を9回行って出来るものです。
このようにする事で、腎精を補う力が強くなります。
テレビなどである食材を調理するのに、調理の方法でうまみ成分が著しく変わるという事をよくとりあげています。
漢方の修治も良く似ていると思います。
ただ、煎じの場合は、最後に必ずお湯で煮込むという作業があります。
この為、せっかく修治しても、料理に比べてその差は出にくいと思われます。
丸薬などの場合は煮込まないので、修治の影響が大きくなります。
先ほどの東洋八味地黄丸も丸剤なので、修治の影響が大きいのだと思います。
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