検査値と中医学
検査値の中で、体温、心拍数、など測定する機械がなくてもある程度解るものもあります。
ただ、多くのものが測定する機械だったり試薬が必要です。
そういった機械や試薬は中医学が出来たころにはありませんでした。
その代わりに発展していったのが舌診と脈診です。
中医学は、西洋医学のような検査結果が無くても、症状と舌診、脈診で弁証論治して体にあう処方を決める事が出来ます。
しかし、最近はどうしても検査値を重視するようになって来ました。
それで最近は中医の診断に西洋医学の検査値も取り入れられて来てはいます。
ただ、まだまだ発展途上です。
中医学の発展は西洋医学ほど急ではありません。
百年単位くらいで進歩します。
それは短所でもあり、長所でもあります。
長所というのは安全性です。
百年かけて臨床実験が行われると考えてみてください。
漢方薬はいかに安全かという事が解るでしょう。
短所は、西洋医学の検査値に中医学はまだまだ対応出来ていない事です。
例えば血圧に良い漢方、コレステロールを下げる漢方、肝機能や腎機能を改善する漢方などの需要が高まって来ています。
中医学では、これらの数値をもとに処方する方法は試行錯誤の状態です。
今、多くの中医師がどうすればこれらの数値が改善するか試行錯誤の状態です。
ただ、どんなに中医学が進んでも、検査値だけでなく体質に応じて処方する弁証論治は残っていくと思います。

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