中医学講座 陰と陽の関係 その3
陰と陽は相対的なもので、2つのものを比べて初めてどちらかが陰、どちらかが陽となる。
では、絶対的な陽とか、絶対的な陰というものはあるのだろうか?
中医学では、そういう物は存在しないと考える。
概念としての純陰や純陽はある。
しかし、この世の中にそういう物は存在しない。
あくまでも、理論、概念、頭の中だけのものなのだ。
水は冷たいし、陰の代表だが、冷たくても温度はある。
分子が動かなくなると考えていた絶対零度の中でも、分子は少し振動している。
動きがあるので、純粋な陰とは言えない。
火は温かいが、中には水蒸気のようなものも含まれている。
つまり火の中には水分が含まれているのだ。
陰と陽の概念のあいまいさは、中医学にとって大切なものなのだ。
生薬には体を温めるものと体を冷やすものがある。
体を温める生薬だけ集めて、体を温める処方を作るのは簡単だ。
しかし、本当に良い処方、長く伝わる処方は、陰の中に陽があり、陽の中に陰がある。
温める薬の中に少しだけ冷やす薬をまぜてバランスをとっているのだ。
単純に◯や✕ではなく、+や―でもない。
この曖昧さが西洋医学に無い特徴なのだ。

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