中医学の勉強をすすめるための4つのステップ
ステップ1 基礎づくり
中医学基礎、内科学、婦科学、方剤学、中薬学の教科書を読む
この部分は、店頭で役立たない事も多いが中医学を理解するためには必要なので頑張る。
完全に記憶しなくても、後で忘れても良いと思う。
細かい事を完全に記憶するより、中医学全体の構造を把握するの事が大切。
ステップ2 臨床を学ぶ
臨床実践をマスターするためには医案を読むのが良い。
ただ、古い医案はだめ。1960年以降のものが良い。
何故かというと、古い医案には西洋医学の診断が無い。
例えば同じ「胃痛」でも、胃痙攣、胃潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどがあり、簡単に「胃痛」ではくくれない。
病名が胃痛となっている医案はあまり参考にならない。
これらの医案は日本語に翻訳されていないものが多い。
なので、中国語で読む必要がある。
これらの医案は読むだけなら中国語でもそんなに難しくない。
簡体字を100程度覚えれば何とかなる。
発音は出来なくても、漢文を読む要領で良いと思う。
ステップ3 古典を学ぶ
中医学を深く理解するには古典を読む事が必要。
古典を学ぶと、中医学の発展の歴史がわかり、どのように変化して来たか分かる。
また単なる医療ではなく中国の文化や哲学と深く結びついているのが分かる。
古典は海のように広く、おそらく一生かかっても学び切れない。
古典の世界に浸っていると、ミイラ取りがミイラになる。
なので、適当に切り上げる方がおすすめ。
勿論、古典が好きなら一生勉強するのも良いと思う。
ただ、店頭の漢方相談を中心にするなら古典はある程度でやめておこう。
ステップ4 新しい理論を作る
中医学は、臨床経験から、仮説を作る。
仮説は、実験をしなくても頭の中で考える事が出来る。
色々な仮説を考えてみる事は大切だと思う。
使えない仮説も沢山あるだろう。
もしその仮説が臨床に応用出来ると、時間をかけてそれは定説となる。
定説があつまり理論を作る。
中医学は一歩進んだ事になる。
伝染病の治療として、傷寒論の世界から、新しい温病の理論がるまで千年以上を要した。
これは、恐らく傷寒論があまりにも完成されたものだったので、それを継承する事しか出来ず、新しい仮説を考えなかったからだろうと思う。
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