中医学における定位の意味
定位というのは、この漢方は肝の薬、心の薬など、臓腑に割り振られ働く場所を言う。
この時、イメージするのは、例えば肝の薬なら、飲んだ漢方が胃腸から吸収され血液の流れに乗って肝臓にあつまり、そこで作用するというイメージだと思う。
腎の薬なら腎に集まり、心の薬なら心臓や脳などに集まるという考えか方だ。
実際にはどうなのだろうか?
確かに成分によってある場所に集まりやすい性質はあるかも知れない。しかし、それが定位とは考えにくい。
肝の働きは肝臓だけでなく、自律神経も肝の一部だ。
自律神経はほぼ全身に作用している。
また、それをコントロールしているのは視床下部だ。
だから、肝臓に集まっている訳ではない。
そもそも、腸から吸収された有効成分は門脈を通って肝臓に運ばれるが、その後は心臓から全身に運ばれる。
そういう意味で、どんな成分であっても全身にくまなく配分される。
ただ、配分された有効成分の作用の種類によって、自律神経に作用するものを肝の薬と定義したものだと思う。
つまり、定位というのは肝臓とか腎臓といった特定の臓器や場所を意味するのではなく、あるシステムに作用するものと考えて良い。
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