上げるものと下げるもの
中医学的に漢方の分類は色々なモノサシがあるのですが、その中で「上げるもの」と「下げるもの」という分け方があります。
「下げるもの」と言うと、下剤を想像しますね。
その通り。下剤もりっぱな下げるものです。
ただ、下げるものは下剤だけではありません。
下剤は大腸につまった大便という汚れを排出するものです。
では、大腸まで行かない汚れ、便になる前の汚れはどうでしょうか?
胃のあたりでつまってしまって苦しい事があります。
この場合は吐ける場合は吐いてしまうのも手です。
それが難しい場合は消導薬という方法で食べ物を下におろします。
下げるだけでなく消化を助ける作用もあります。
それで胃がスッキリするのです。
気がのぼるという事があります。
更年期に特徴的なホットフラッシュもそうです。
イライラ、カッカとして、顔を真っ赤にして怒る。
ストレスがたまって、眠れない。
こんな時は気が上に昇っている状態なので、気を下げる薬を使います。
これを降気薬と言います。
降気薬にも色々種類があります。
肺の気が昇って降りないと、咳が出長引きます。
心の気が昇って降りないと不眠になります。
肝の気が昇って降りないとイライラ、カッカとして怒りっぽくなります。
逆に降りてはいけないのに降りたりする場合もあります。
下痢、多尿、胃下垂、遊走腎、脱肛、子宮脱、たちくらみなどがあります。
このような場合は気を上にあげるものを使います。
面白いのは、同じ症状でも気が昇って起こるものと気が昇らなくて起こるものがあります。
耳鳴り、めまい、頭痛などがそれです。
それぞれ、しっかりタイプ分けして治療する事が大切です。
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