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肝は右?左?

中医学では肝は左にあるとされている。
昔は内蔵の位置はあまりしっかりとは把握されていなかったので、肝は左と思われていた。
しかし、今は肝が右にあることは誰でも知っている。
では、何故訂正されないのだろうか?
中医学では内蔵の働きは重視するが位置はあまり重視しない。
左なら左で困る事は無いというのが1つ目。
もう一つは、脈診との関係だ。
脈診で左は、心、肝、腎陰を見る。
肝腎同源で、肝血と腎陰は深い関係がある。
そうするとこの3つは血との関係が深い。
だから脈診で左は血を診るとされている。
心臓が左にある事と関係していると思う。
脈診で右は肺、脾、腎陽(命門)だ。
こちらは気との関係が深い。
だから脈診で右は気を診るとされている。
脈診は二千年以上受け継がれているから、いまさら肝の脈を右にもって行くわけにはいかない。
では、脈はそのままにして、肝は右としたらどうだろうか?
体内の気の流れは右降左昇になっている。
陰陽のマークを見た事があると思うが、正しい位置は、白が右から下におり、黒が左から上に昇っている。
白は肺の気、黒は肝の気を代表していて、肺の気は右から下に向かい、肝の気は左から上に向かっている。
肝が右にあるとすると、肺は左になる。
そうすると右降左昇の理論がくずれてしまう。
肝が左にあるのはわかっているが、そのままにしておこうとなった。
そこで考え出されたのは、肝は右にあるが、その働きは左にあるという考えだ。
今はこの考えが採用されている。
つまり肝の位置は、右とも左とも言えないと言う事なのだ。



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