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脾の実証

中医学では脾の実証はあまり出てこない。
しかし、実際にはかなり多く存在するのではないかと思う。
実証は2つあり、一つは機能亢進で、もう一つは邪実だ。
脾が機能亢進になると、食欲が出すぎて食べ過ぎる。
そうすると、体内に脂肪などが蓄積されていく。
これらの脂肪がどこに蓄積されるかというと、中医学的な定義はないが私は脾に蓄積されていくと思う。
脾は肌肉を司るとされている。
この肌は、中国語では筋肉の事だ。
そうすると肌肉というのは皮膚ではなく筋肉だ。
しかし、実際はもう少し範囲がひろく、皮下脂肪も含めて考えると思う。
脾虚になると痩せて筋肉が落ちる。
だから脾は肌肉と関係があるが、痩せて落ちるのは筋肉だけでない。
皮下脂肪も減っていく。
つまり肌肉とは、筋肉と皮下脂肪をあわせたものだと考えている。
余分な皮下脂肪は、痰湿が脾にたまった状態と考えて良いだろう。
脾の瘀血も存在すると思う。
糖尿病などの場合は血管障害がおきやすく、瘀血の傾向が強い。
これは脾の瘀血と考えて良いだろう。
これらの事から、脾の実証は存在するが、中医学では何故かあまり議論されていない。
もう少し脾の実証について検証する必要があると思う。



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