土克水って本当にあるの?
中医学の五行の理論は矛盾が沢山あり、全面的に肯定する事は出来ない。
もともとあった五行の理論に臓腑をあてはめたのだから、合わない部分もある。
一番、おかしい部分は土克水だ。
五行で考えれば、水や池を土で埋めれば水はなくなる。
埋立地のようなものだ。
しかし、これが人間の体にどう当てはまるのかよく分からない。
相克は、生理的にはある臓が強くなりすぎないよう他の臓が抑制してバランスをとっていると考える。
また病理的には、ある臓が強くなりすぎて、関連する特定の臓が弱くなってしまう。
逆にある臓が弱くなると抑えが聞かなくなり、ある臓が強くなりすぎる。
相克は、一つの臓ともう一つの臓が1対1に結びつけられている。
それで、脾と腎の関係を見てみよう。
脾は腎が強くなりすぎないように見張っている。
脾が弱ると腎への抑制が聞かず、腎が強くなりすぎて病気になる。
脾が強くなりすぎると、腎を押さえつけ、腎が弱る。
どれも、全く想像できない。
そもそも腎には実証は無いという人もいる。
腎が強くなりすぎて困るというのは考えにくい。
また、脾も強くなりすぎて困るというのはあまりない。
脾が強くなりすぎ、食べ過ぎで太って腎を弱くする...なるほど。
少しはありそうだが、太って困るのは心、肝が先ではないだろうか?
と言うわけで、明確な水克土は無いというのが私の考えだ。
勿論、むりくり考えればあるかも知れない。
しかし、それはとうてい科学的ではないし、哲学的でもない。

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