投稿者 深谷薬局養心堂(あんずむら)
回答先: 高プロワクチンと黄体機能不全について 投稿者 べーる
漢方では、まずその人の体質を判断します。
さらに、プロラクチンや黄体ホルモン、卵胞刺激ホルモンなどのバランスが悪い原因をさぐっていきます。
そして、その原因に対して治療方針を立てます。
これらのホルモンのバランスが悪くなってしまう原因は、いろいろあります。
よくある原因としては、「腎の精の不足」、「気血の不足」、「脾虚」、「肝気の欝滞」「淤血」などがあります。
漢方では、子宮や卵巣などを「腎」と考えています。
腎の中にあるホルモンは漢方では「腎精」と言っています。
体質的に腎精が不足しやすい場合、「腎精不足」と言います。
腎精を補う働きの漢方薬は、ホルモンの分泌を良くする働きがあります。
ホルモンの分泌は、腎精だけでなく、気の流れや血液の流れなども関係しています。
気や血は、腎に栄養を送っています。
腎の働きが良くなる為には、気血が充分ある事が必要なのです。
体質的に気や血が不足しやすい人または、その状態を「気血両虚」といいます。
さらに、腎の中の精は、胃腸からの栄養も必要です。
胃腸が弱いと、必要な栄養が吸収出来なくて、腎の精も気血も不足してしまいます。このような状態を「脾虚」と言います。
ホルモンをコントロールするのは視床下部や脳下垂体です。
この部分は、漢方では「肝」が大きく関係していると考えます。
肝は全身の気の流れをコントロールしています。
気の流れが、ホルモンや排卵のリズムを作っていると考えるのです。
肝の気の流れが悪いと、ホルモンのバランスが悪くなり、基礎体温がギザギザになったり、プロラクチンが高くなったり、うまく排卵しなかったりします。
このような状態を「肝鬱気滞」といいいます。
血液の流れが悪くなっていたり、汚れている場合、淤血と言います。
これもホルモンのバランスが悪くなる原因です。