深谷薬局 養心堂

漢方薬局 深谷薬局養心堂

Re: SOS!



投稿者 養心堂
回答先: SOS! 投稿者 横川一郎

漢方治療の場合、味覚障害ならこの薬、脳腫瘍ならこの薬といった使い方は普通しません。
どんな病気であれ、漢方的な原因を考えてから治療します。
漢方的な原因とは、外から進入してきた邪気の性質とか、体内の陰陽のバランス、気の巡り、血の流れや量、各臓腑の働きやバランスなどを考慮していきます。

しかし、それでは番組の制作上困るでしょうから、なんとか考えてみます。

舌は、漢方的には、心と関係があります。
心とは、心臓だけでなくて、脳の機能も心に属しています。
舌で味を感じるのは、「心」つまり、脳の働きが大切なのです。

今、脳に腫瘍があって味を感じない場合を考えてみます。
この場合、心に、何か異物があって味覚を感じるのを阻害している訳です。
この異物とは、多くの場合、淤血という血液の汚れや、痰湿といって、脂や繊維のかたまりのようなものてす。
ですから、心の中の淤血や痰湿を取る事が治療方法になります。
治療方法は、活血化淤(かっけつかお)、化痰(かたん)、開窮(かいきょう)という方法になります。
活血化淤とは、血液をきれいにして、流れをよくする方法です。
具体的には、丹参(たんじん) 赤芍(せきしゃく) 川きゅう(せんきゅう) 地竜(じりゅう) 水蛭(すいてつ) などを用います。
化痰は、痰湿を取り除く事です。
半夏(はんげ) 天南星(てんなんしょう) などを用います。
また、開窮とは、脳神経の働きをよくするもので、牛黄(ごおう) 蘇合香(そごうこう)
などを用います。

最近の研究では、脳腫瘍に、ヤモリの一種である壁虎を使ってよくなったという話を聞いています。

また、脳腫瘍とは関係ない、単純な味覚障害の場合は、亜鉛の不足が原因である事が多く、この場合は、亜鉛を多く含んだ蟻などを漢方薬として使っています。

天南星 口がしびれて、味覚を感じない  脳腫瘍にも使う



フォローアップ: