投稿者 深谷薬局養心堂
回答先: 妊娠初期の神秘湯と半夏厚朴湯 投稿者 陽子
漢方には、大きく分けて2種類あります。
一つは、体の中の邪気とか毒素を取り除く働きのもの。
もう一つは、体の中の足りないものを補うものです。
前者を瀉薬、後者を補薬と言っています。
神祕湯も半夏厚朴湯も瀉薬に属します。
さて、妊娠中漢方薬、特に瀉薬を飲む時は気を付けなければいけない事があります。
体内に邪気や毒素があれば、漢方薬はその毒素を取り除こうとします。
しかし、もし、体内に邪気や毒素が無い時に、大量の瀉薬を長期間飲むと、胎児も毒素と勘違いして排出しようとします。このような場合、流産の可能性があります。
そうかといって、怖がって漢方薬を全然飲まないと、風邪の毒素は胎児に悪い影響を与える事もありますし、咳こむ事自体も流産を引き起こす可能性があります。
ですから、妊娠時に漢方薬を飲む時は、正しい見極めが必要なのです。
陽子さんの場合も、今咳が収まったので、邪気は無くなったと判断して、これらのお薬は一旦中止した方が良いでしょう。
もし、少し咳が残るなら、飲む回数を減らして下さい。
あるいは「香蘇散」「參蘇飮」「麦門冬湯」など、補と瀉を組み合わせたような処方にすると良いでしょう。