投稿者 深谷薬局養心堂(あんずむら)
回答先: 柴胡について 投稿者 流
一つ一つの生薬は、働く方向性として「昇降浮沈」があります。
昇 気を上に昇らせます。 他の薬を上に運びます。
降 気を下に下げます。 他の薬を下に運びます。
浮 気を外に発散します。
沈 気を内に引き込み、収斂させます。
昇は、例えば胃下垂、低血圧、下痢などに使います。
降は、のぼせ、便秘、高血圧、頭痛などに使います。
昇と降はバランスが大切です。
浮は、発散のものでアレルギーや風邪などに良く使います。
沈は収斂で、多汗、出血、ショックなどに使います。
一般的に昇ものは散の働き、降ものは沈の働きを兼ねる事が多いです。
さて、柴胡は、昇と散の作用があります。
ですので、のぼせが強い場合はやはり単味では使わない事が多いです。
ただし、龍骨や牡蠣などの降沈薬と併用する事により昇降のバランスを調える事が出来ます。
柴胡加龍骨牡蠣湯がそれです。
また、枳殼の降沈、牛膝の降、地黄、芍薬の沈の作用と併せた血腑逐於丸などは柴胡が含まれていてものぼせに使います。