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Re: 黄耆建中湯と人参建中湯



投稿者 深谷薬局養心堂
回答先: 黄耆建中湯と人参建中湯 投稿者 さくら
黄耆と人参は、どちらも気を補う補気作用がありますが、気の種類が少し違います。
人参は、健脾作用(胃腸を丈夫にする)と、心気を補う(心臓の収縮力を強める)作用があります。
これに対して黄耆は主に衛気を補う力が強くなります。
衛気とは表を固めて、邪気が入らないようにしたり、汗や気が漏れないようにする作用です。
風邪をひきやすいなどの場合は、人参より黄耆をよく使います。
黄耆建中湯は、このような目的で使われる事が多いものです。
黄耆と人参でもう一つ違うのは、人参は津液(体液)を増やす、つまり潤す作用があります。
これに対して黄耆は余分な水をさばく作用があります。
小建中湯もどちらかというと潤す作用のため、ここに人参を入れると水の流れが悪くなりやすくなります。
そういう意味ど黄耆建中湯の方が使いやすい処方です。
ただし、明かに津液不足の場合は、小建中湯に人参を入れる方法も良いでしょう。




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