投稿者 深谷薬局養心堂(あんずむら)
回答先: 血府逐於丸と鎮悸散 投稿者 ちゃい
パッケージに表記されている効能効果と中医学(中国の漢方医学)との間ではかなりズレがあります。
理由としては、次の2つがあります。
1.昔認可を受けた処方は、中医との国交回復前で、今の中医学の概念が取り入れられていません。
2.新しく認可を受けた処方は、医薬品として、漢方以外の薬と同じ基準で認可を受ける必要があります。
漢方独特の概念、例えば「淤血」とか「肝鬱気滞」では認可がおりないのです。
認可を受けるには、特定の病気を目標にして治験データを出す必要があります。
効能にはその病名が記載されます。
資金は有限ですから、効果が出る可能性があるすぺての病気の認可をとるのは不可能です。
血腑逐於丸は、新しく認可を得たもので本来は「肝鬱気滞、気滞血淤」に使うものです。
気の流れが悪く、血の汚れがある場合に使うものです。
肝鬱気滞、気滞血淤であれば、漢方的には病気の種類には関係なく使えるものです。
これを異病同治(いびょうどうじ)と言います。
鎮悸散は、中身は柴胡加龍骨牡蠣湯です。
柴胡加龍骨牡蠣湯は昔認可を受けたものです。
柴胡加龍骨牡蠣湯は、日本式の漢方では、不安感など神経症状の改善、不眠、動悸によく使われていました。
ですで、効能もそのようになっています。
中医学では、もう少し広い範囲に応用されています。
その応用はとても広く、柴胡加龍骨牡蠣湯の使い方だけでも、1冊の本になるくらいです。