投稿者 深谷薬局養心堂
回答先: 逍遥丸と加味帰脾湯の違い 投稿者 まつぼっくり
この2つは、かなり違います。
逍遥丸は「肝」の気の流れを考えた漢方薬です。
現代医学的には、自律神経やホルモンのバランスです。
肝の気の流れが良すぎると、イライラしたり、興奮したり、ザーザーという大きな耳鳴りがしたり、目や顔が赤くなったりします。
反対に肝の気の流れが悪くなると、鬱状態になり、やる気がしない、引きこもりなどの症状が出ます。また、体も冷えやすくなります。
逍遥丸は肝の働きを調え、気の流れを正常にします。
気の流れがあまりに多い場合は、逍遥丸だけでは難しく、加味逍遙散や瀉火利湿顆粒などを考慮します。
加味帰脾湯は、帰脾湯の加減です。
帰脾湯は心と脾の調整です。
心は、心臓だけでなく大脳も心の一部と考えます。
神経衰弱、不眠、ノイローゼなどが代表的です。
帰脾湯には、心の血を補う働きがあり、心の働きを正常化します。
どちらかというと帰脾湯は落ち込みによく使い、イライラにはあまり使いません。
これをイライラにも使えるように興奮を抑えるものを加えたのが加味帰脾湯です。
冷えがある人、落ち込みがひどい人は、加味帰脾湯よりも帰脾湯が適しています。
ただし、肝が自律神経で、心が大脳というふうに単純には決められません。
今回は現代医学に当てはめて説明しただけで、実際には漢方の理論はもっと複雑です。