投稿者 深谷薬局養心堂(あんずむら)
回答先: 生薬の効果について 投稿者 しょう
当帰芍薬散は、肝血不足と同時に脾虚湿滞がある時に使われます。
当帰と白芍で肝血と肝陰を養い、また川きゅうで血流を改善したり肝の気の流れを改善します。
白朮と茯苓は健脾で胃腸を丈夫にします。
また茯苓と沢瀉で利水します。
中国などで処方が加減出来る場合は、当帰芍薬散でも、もしむくみや水の欝滞が無いなら、沢瀉は抜いて使われます。
当帰芍薬散は補腎の意味はありません。
ですから腎陽虚がある場合、当帰芍薬散だけでは不足です。
ただ、沢瀉一味だけを飲む場合と違って、腎陽虚だから飲んではいけないとう程に沢瀉の作用は強くありません。
方剤の場合は、全体としてのバランスが大切です。
たとえば腎陽虚につかわれる八味地黄丸にも沢瀉は配合されています。
この場合は腎があたたまり過ぎないように調整していると考えられます。
当帰芍薬散は肝血を補い、健脾利水をするものですから、血虚で乾燥タイプなら、潤す作用の強い婦宝当帰膠とか温経湯などの方が良いでしょう。