投稿者 深谷薬局養心堂
回答先: 衛益顆粒と補中益気丸の違い 投稿者 ゆう
補中益気湯は、まず胃腸の消化機能を高めます。
胃腸の消化機能は、中医学では「脾」の働きです。
脾の働きとしては、臓器を上に持ち上げる力を作っています。
この力が不足した状態を脾気下陥といいます。
例えば、胃下垂、脱肛、子宮脱などによく見られます。
妊娠中に赤ちゃんが出て来てしまうのを滑胎といいますが、これも脾気下陥の一つと考えます。
西洋医学では子宮口が緩い状態です。
このような場合は、補中益気湯がよく用いられます。
衛益顆粒は、肺の気を補います。
肺の気は、体を守る衛気と関係します。
衛気は現代医学では免疫に近いものです。
流産の原因として、免疫のバランスが悪い事が多くあります。
このために衛益顆粒を用います。
衛益顆粒の成分の、黄耆、白朮、防風は昔から安胎作用があると言われている生薬です。
双料参茸丸は、主に腎と肺の機能を良くします。
腎は、卵巣の機能も含んでいて、高温期が低い、短いなどの場合に腎を補うものを使うと改善される事が多いです。
中医学的にも腎の働きが悪くて流産するような場合は、双料参茸丸が良いでしょう。
西洋医学的には、黄体ホルモンの不足などで流産する場合です。
ただ、漢方薬は体質や状態もしっかり判断する必要があります。
黄体ホルモンの数値とか抗体があるからとかで簡単にお薬を決める事は出来ません。