深谷薬局養心堂
漢方薬局 深谷薬局養心堂

皮膚のトラブルのご相談



皮膚病の原因は皮膚ではありません。
問題はカラダの中にあります。
体内にたまった汚れが、皮膚から出ているのです。
中側をきれいにしないと根本的な解決になりません。



アトピー性皮膚炎
ニキビ
皮膚のくすみ
肌荒れ
湿疹
月経疹
慢性蕁麻疹(コリン性蕁麻疹)

皮膚病やアレルギーの主な原因は、体の中に色々な汚れがたまる事と考えます。
主な汚れとしては、血の汚れ(瘀血) 水や脂の汚れ(痰湿) 余分な熱 食滞などがあります。
ですから基本としてはこれらの汚れを取り除き綺麗にする事です。
ただ、汚れがたまるには原因があります。これらの原因を考えないでただ汚れだけ綺麗にしていても、また汚れがたまります。
汚れがたまる原因としてはストレスなどによる気滞や、エネルギー不足の気虚、血の不足の血虚、温める力の不足の陽虚、潤い不足の陰虚などが考えられます。
また五臓の働きも大切です。五臓は、肝・心・脾・肺・腎で、西洋医学の臓腑とは違います。
これらの臓腑の働きが低下するのは問題ですが働きすぎるのも問題となります。というのは五臓はそれぞれバランスをとっていて、一つが強くなりすぎるのも良くないと考えているからです。
中医学は五臓の状態を把握して、バランスを整えるような方法を考えます。
これが日本式の漢方と中医学の大きな違いです。
中医学に詳しい中国国立大学の元客員教授の深谷彰と深谷幹子が一人ひとりの体質や汚れ、五臓のバランスなどをかんがえて皮膚病やアレルギーの体質改善の漢方薬をお勧めしていきます。



アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、体内にこもった毒素(特に腸内 中医学では皮膚は肺に属し、肺と大腸は表裏の関係にあります)が原因と考えられています。
ですので、まず、治療の第一段階として、毒素をとりのぞく治療をします。
次に、体を強化して、毒素がたまらないようにします。
ステロイドなどは、一時的に炎症をおさえる事が出来ても、
こういった毒素を分解する力はありませんし、
体を強化する事も出来ません。

第一段階 去邪
毒素の治療

アトピーは皮膚の病気ですが、漢方では全身の病気と考えています。
体内にさまざまな毒素が蓄積されて、それが皮膚からあふれ出していると考えます。

まず、毒素の種類を考えて、それを取り除く事がら始めます。

瘀血  よごれた血液です。 かきむしり、血が出ると痒みがおさまります。
皮膚はカサカサとした感じでかさぶたを伴います。
瘀血を綺麗にするような漢方薬を用います。

血熱  淤血が長引いて熱がこもった状態です。
赤みが強い湿疹が特徴です。
血熱をとるような漢方薬を使います。

痰湿  汚れた水や繊維、脂などの毒素です。
水疱になったり、うすいリンパ液が出たりします。
痰湿をとる漢方薬を使います。

湿熱  痰湿が長引いて熱がこもった状態です。
患部は赤くただれて、ジュクジュクしています。
湿熱をとる漢方薬を使います。

宿風  風という邪気が体内にとどまっている状態です。
クーラーのあたりすぎなどが原因です。
痒みは変化します。
宿風をとるような漢方薬を使います。

風湿  宿風と湿が体内にとどまった状態です。
赤みは少なく、時に蕁麻疹のように地図状に隆起します。
風湿をとるような漢方薬を使います。

伏燥  燥邪が体内にとどまった状態です。
秋、冬に悪化し、乾燥感が強く、お風呂に入ると良くなります。
宿燥をとるような漢方薬などを使います。
燥邪は化熱する傾向がありますから、清熱作用のあるものを使います。
また表面的にカサカサしていても内部には湿がたまっている事もあります。

アトピーも急性期は、湿熱や血熱の状態が多く、
少し収まってくると淤血、風湿が多くなります。

第二段階  扶正+去邪
内臓のバランスを整え、毒素がたまらないようにします。

健康な状態では、毒素は自然に排泄されるはずです。
毒素がうまく排泄出来ず、体内に蓄積されていまうのは、
体の何処かに問題があるからです。
この問題点をさぐり、治療する必要があります。

脾虚 アトピーで一番多い問題点です。
脾とは胃腸の消化機能をさしています。
脾の機能が弱いと食べたものがうまく分解されず、そのまま毒素になってしまいます。
脾虚を改善るする漢方で胃腸を丈夫にし、消化を助ける漢方で、食べたものを分解します。

肝鬱 肝は、肝臓だけではありません。
気の流れを調節する自律神経のようなものです。
アトピーの悪化はストレスとすごく関係があります。
これは、おそらく交感神経の興奮によるものではないかと思います。
肝の働きを調整して、気の流れを良くする事が大切です。
肝鬱を改善するような漢方を使います。

血虚 血液の不足です。
血液が不足すると、血流が悪くなり、淤血の原因にもなります。
また、皮膚にも栄養がゆきわたらなくなり、カサカサします。
老廃物の回収もうまくいかなくなりかゆみをおこします。
血を補うような漢方を使います。

気虚 気にはさまざまな働きがあります。
体外から体を守る防衛機能の働きを衛気といっています。
この衛気が不足すると、病気やアレルギーになりやすくなります。
気を補うような漢方薬を使います。

腎虚 漢方ではホルモンの働きを腎と考えます。
ホルモンの分泌が弱い体質や状態を腎虚と言います。
腎虚の改善には補腎作用のあるような漢方薬を使います。

注意点は、第2段階の時も第一段階の治療を少し併用する事です。
現代の社会生活は、気をつけていても色々な汚れや毒素が
溜まりやすい環境にあるからです。



ニキビの漢方
皮膚は内蔵の鏡と言われていて、内蔵の様々な問題が皮膚に現れてくるのが 皮膚病と言えます。
ですから、漢方では、にきびは皮膚の問題というより、体全体の問題として 捕らえています。
にきびを考える時、生活のバランス、食事のバランス ホルモンのバランス、精神的なもののバランスなども考慮しなければいけません。
勿論、洗顔や化粧品の問題も考慮する必要があります。
また、にきびとよく間違われやすい物に、扁平性疣と、月経疹があります。
扁平疣は、ニキビと同時にみられる事が多いようです。
これは、イボの一種ですから、漢方でもイボの治療を考えて、イボに良く使うもの、たとえば板藍茶やヨクイニンなどを使います。
月経疹は生理の前に酷くなる赤みの強いものです。
顎、胸、背中などに出来る事が多いです。
この治療は、ホルモンのバランスを考えて、血液の浄化を中心に考えていきます。
また多嚢胞性卵巣といって、排卵障害があり、男性ホルモンが高い人は、先に多嚢胞性卵巣を治療する必要があります。
生理不順を治療しないでニキビだけ治療すると一旦は良くなってもまたすぐに悪化してしまいます。

漢方的ににきびは、

1.肝鬱気滞タイプ  ストレスや生活のリズムが悪いため、気の流れが悪くなっているタイプ
 疏肝利気の作用のある漢方薬をよく使います

2.淤血タイプ 血液の汚れなどが原因 ニキビの色は赤黒い感じです。
 活血化淤の作用のある漢方薬などを使います  

3.痰湿タイプ 水の流れが悪いタイプ 赤味は少ないですが、固くてコリコリとしています。
 痰湿を取り除く作用のある漢方薬などを使います。見た目よりも根が深いニキビなので治療には根気が必要です。

4.湿熱タイプ 毒素が多いタイプ 赤味がつよく分泌物が多いタイプです。
 湿熱をとる漢方薬などを用います  

5.気血両虚タイプ 冷え性で貧血タイプ それほどひどいニキビではありませんが、なかなか治らないタイプです。
 気血を補うような漢方薬を用います

6.食滞タイプ 食べたものがうまく消化されないで胃腸にたまるタイプです。
 下痢の場合と便秘の場合があり、さらに冷えの場合と熱の場合がありますからそれぞれ漢方を使い分けます。

といった方法で治療していきます。
勿論、これ以外にもいろいなタイプがあり、それらが複雑にからみあっている場合もあります。



皮膚のくすみと漢方薬

皮膚のくすみの原因はさまざまです。
大きく分けて、汚れが溜まっている場合と、必要な栄養が足りない場合に分けます。
汚れがたまっている場合は汚れの種類によって
瘀血 血液の汚れです。
女性は生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症などが原因になります。
男性は暴飲暴食、睡眠不足などが多いです。
ストレスは男女ともにあります。
痰湿 汚れた水、脂、繊維などです。
胃腸の消化吸収が悪い場合と、食事の質が悪い場合があります。
気滞 主にストレスが原因で、ホルモンバランスが悪い状態です。
しみは「肝斑」とも書き昔から肝との関係が密接と考えていました。
肝は気の流れを調整しているので、やはり肝との関係は深いでしょう。

必要なものが足りない
血の不足 血は肝に蓄えられますので、肝血不足の場合が多いです。
ただ肝血不足がおこる原因としては、ストレス、食事のバランス
食べたものの吸収が悪いなどが考えられます。
潤い不足 体に必要な栄養を含んだ水を中医学では津液と言います。
この津液が不足した状態です。
このような場合、水をのんでも効果がありません。
水や血管や細胞の外に行きますが、なかなか細胞内に入らないためです。

この中で、年齢的な部分は腎との関係が深く、ストレスやホルモンバランスは肝との関係が深いです。
また胃腸の働きである脾胃にも中医を払う必要があります。
成長ホルモンは皮膚を修復するホルモンです。
ですから、心や胆をととのえて睡眠の質を改善する事も大切です。



肌荒れと漢方薬
肌荒れは、外部の刺激によるものと、体の中の問題に分けられます。
外部の刺激としては
摩擦(下着、カミソリなど) 薬品 化粧品 紫外線 などが考えられます。
いずれの場合も漢方を飲むより、まず先にこれらの刺激に対する対策を考えます。

弱い刺激でも肌荒れを起こしてしまう場合は、体質改善が必要です。
基本的にはアレルギー体質の改善となります。

脾の問題
脾の運化の力が低下すると、必要な栄養が吸収できず、ビタミンやミネラル不足になります。

胃の問題
胃には食べたもを腸に下ろす作用があります。
この機能が衰えると食滞といって、汚れが胃腸にたまります。
お腹の張りや便秘だけでなく、胃腸の毒素が肌から出て肌荒れになります。


肝は解毒作用だけでなく、気の流れをスムースにしています。
気の流れが悪くなると、免疫、ホルモン、自立神経のバランスが悪くなりアレルギーを起こしやすくなります。


中医学では皮膚は肺の一部と考えます。
肺に熱がこもると皮膚が炎症しやすくなり、肌荒れ、ニキビ、吹き出物がおこりやすくなります。
また、皮膚を守っている衛気が不足してくると、免疫機能がおとろえかぶれなどアレルギーをおこしやすくなります。

中医学では体はつながった一つものと考えます。
ですから、皮膚なら皮膚と切り離しては考えません。
体の一部として体全体を考える事が大切です。



湿疹と漢方薬
湿疹も肌荒れも中医学的には体内の汚れが皮膚から出ている状態と考えます。
肌荒れの方は、外部からの刺激が引き金になっている事が多いです。
例えばカミソリ、化粧品、下着、紫外線、乾燥などです。
湿疹の場合はこういった外的な刺激がなくても起こるので、肌荒れよりも体内の汚れは多いと考えます。
また湿疹の場合は赤み、かゆみを伴い、中医学的に湿熱の状態と考えられます。
湿熱は、いろいろな部位にたまりますが、特に胃腸(脾胃)と肝に溜まりやすい性質があります。
顔だけに出る場合は肺熱とも関係している可能性もあります。
体内に溜まった湿熱が皮膚から出ているのなら、体内の湿熱をとるような処方を使えば良い事になります。
ただ、実際の治療ではそこまで単純には行きません。
湿熱の特徴としては、舌の色が赤い、苔は厚く黄色い、脈は滑数、もしくは弦数、のぼせ、イライラ、不眠、暑がり、冷たいものが好き、便秘もしくは渋り腹、尿が出にくいなどの症状を伴う事が多いものです。
ですが、実際には湿疹の方でこのような症状を伴うケースはそう多くありません。
確かに皮膚という局所には湿熱があるのですが、体質はむしろ冷えているケースが多くみられます。
例えば、舌の色は淡色、苔は薄い、もしくは厚くても白色で湿ってい。寒がり、手足の冷え、胃腸が弱くてげりしやすい、もしくは慢性の便秘などです。
このようなタイプの場合、胃腸が冷えて消化する力が落ちているパターンです。
運化の力が落ちると、脾胃に汚れがたまります。
これらの汚れが濁飲となり体内にたまります。
濁飲は長期間蓄積されると化熱してきます。
脾胃の濁飲が皮膚に運ばれるまでの間に化熱して湿熱となります。
このような場合の治療は複雑で、清熱利湿のものを多く使うと脾胃を痛め、健脾のものを多く使うと熱を助長します。
ですから、バランスが大切です。
赤みが強い場合は清熱解毒を多く使い、ジュクジュクする場合は清熱利湿を多くします。
湿疹の勢いが和らいで来たら健脾利湿、化痰、消導などの方法を増やしていきます。
食事では消化の悪いもの、まな物に気をつけ十分な睡眠をとる事が大切です。



蕁麻疹の漢方薬
慢性の蕁麻疹で、多いのは寒冷蕁麻疹とコリン性蕁麻疹です。
寒冷蕁麻疹は、原因が解っているので対処しやすいですが、コリン性蕁麻疹はなかなかやっかいです。
コリン性蕁麻疹は、体内で作られるアセチルコリンという物質に対するアレルギーと考えられています。
食事と違い、体内で合成されてしまうので避ける事が出来ません。
アセチルコリンは、温まった時、運動した時、ストレスを感じた時に沢山分泌されます。

中医学的には、内風と考えます。
風という邪気には、内風と外風があり、外風は外から入りこんでくるものです。
これに対して、内風は自分の体内で作られる邪気です。
この内風という邪気が体内で暴れている状態です。
あたたまると痒くなる事から、風熱という邪気と考えます。
さらに内風が出来る原因としては、臓腑のバランスが悪い可能性があります。
特に関係が深いのが、肝です。
肝は気の流れを調整しています。
自律神経のバランスなども気と関係がありますので、肝との関係が深いといえます。
また、肝気の流れが悪くなると、脾胃に影響が出来ます。
脾胃は胃腸の消化の働きで、この部分が悪くなると、胃腸に毒素がたまります。
この毒素が、体内の内風と結びついて蕁麻疹を治りにくくしていると考えます。
ですので、当店の方針としては
 内風をおさえる
 肝気の流れを良くする
 脾胃の状態を良くする
などを考えます。



月経疹の漢方薬
ニキビと間違われやすいものとして月経疹があります。
高温期の黄体ホルモンが原因と考えられています。
また、多嚢胞性卵巣症候群の場合は男性ホルモンが高くなる事があり、その場合も生理の周期にともなったニキビが出来ます。
月経疹も多嚢胞性卵巣のニキビもホルモンのバランスが原因です。
ですから、通常のニキビの治療をしてもなかなか良くなりません。
また、一旦良くなったとしても、ホルモンバランスが改善しないとすぐに再発してしまいます。
では、中医学的に月経疹はどのように考えれば良いでしょうか?
生理の後は、気血が不足します。
その後、少しずつ気血が回復していきます。
排卵後は黄体ホルモンの影響で、一気に陽気が強くなってきます。
子宮は血海とも良い、血があつまる場所です。
血海から溢れた血液は任脈や衝脉を上行して胃経につながります。
乳房は胃経につながっているので生理前に胸の張りがつよくなります。
さらに上行して顎や口の周りに流れていきます。
これが月経疹となります。
ですので月経疹は口の周りやあごなどに多く出来ます。
そして生理が来ると気血が少なくなるので月経疹は治ります。
多嚢胞性卵巣の場合は生理不順を伴うので、なかなか生理が来ない場合もあります。
この場合は、まず多嚢胞性卵巣の治療を優先します。

月経疹の場合は、
陰陽のバランスが悪い  陰虚火旺
血液の汚れ  瘀血
気の流れが悪い
胃熱 または 胃寒
冷えのぼせ
などに注意して処方を選んでいく必要があります。
一人一人の体質や生理の状態なども違うので、単純に月経疹だからこの漢方という決め方は出来ません。
中医学に詳しいお店などでよくご相談ください。




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